35 第12回堺西高校アートスタジアム

 先週土曜日12日に第12回アートスタジアムを栂文化会館で開催しました。客席数を制限するなど、今年度もコロナ感染症対策をしながらになりましたが、ご家族にたくさん来ていただいての実施をすることができました。

 書道と美術の展示部門では今回も生徒の多様性が作品に反映して、個性的な出来栄えのものがたくさんあったと思います。

 書作品を観ても、線質に緊張感とそれを乗り越えようとする思い切りが表されていたり、大作を完成させたいという気持ちが最後の一文字にまで込められていたりと、力作がそろっていました。篆刻作品があるのもうれしいかぎりですし、絵草子のようにして詞にリンクする絵を描いている作品などがあり、見ごたえがありました。

 美術作品では今回の肖像画も自分がとらえた特徴をいかにして表現するかという点で個性が見られましたし、抽象画では人生の境界期をすごす青年の内面が描かれていました。ウクレレ、器、木製ナイフなど造形作品にも力作があり、共同で作成した「木のおもちゃ」はノアの箱舟の世界観をメルヘンティックに表していて、かわいらしさと幻想性がうまく融合した作品になっていました。

 ステージ部門では、第1部の音楽コース生徒による発表が熱演の連続になったと思います。自分の気持ちや思いを音の表現として客観的に作り上げて、それを聞いてもらうために発表する。主観におぼれすぎてもだめだし、気持ちが入らない演奏になってもだめです。その点で毎年、彼ら彼女らの演奏を聞いて、巧拙をこえた「ひたむきさ」や「はじらい」「憧れ」などの、この年頃の青年の内側からにじみ出るものが音に映っている演奏を聞いて、心打たれるものがあります。映画「SING」のメドレーも楽しい出来栄えでした。

 第2部の軽音楽、吹奏楽、ダンスもレベルが高いものだったので、良かったと思います。ダンスはさすがに全国レベルの躍動感あるパフォーマンスが圧巻でした。軽音と吹奏楽もそれぞれの音楽の特質がよく出た演奏でした。軽音楽のエネルギッシュな音圧感とカリスマ性十分なボーカル、吹奏楽のバランスよく響きを統制した清々しいアンサンブルの良さ、ともに普段からの楽器の修練具合が伺える演奏になっていたと思います。

 芸術、芸事は発表の場があり、それをめざして練習を積み重ねる状況が歩かないかで大きな違いを生みます。全人的な教育を目標とする本校の特色ある行事としてこれからも「アートスタジアム」が続くことを願っています。最後になりましたが、ご来場のみなさま、ありがとうございました。

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