終業式 校長式辞

本日の終業式であった校長からのお話です。

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枚方高校 令和4年度1学期終業式 式辞

みなさんおはようございます。早いもので1学期が終わります。進級また入学して以来、学習や行事、部活動といろいろなことを経験し、頑張ったことでしょう。夏休みは比較的時間の自由になる時期です。これを機会に普段はできないことに挑戦してほしいと思います。

さて、今日は私が普段から考えていることを話します。

今、世界に目を向けると、ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻はいまだ続いていますし、日本では首相経験者が銃殺されるという痛ましい事件が起きたことは記憶に新しいと思います。いずれもあってはならない暴力による人権侵害です。

さて、皆さんは「なぜ暴力がいけないことなのか」と考えたことはありますか。決まっているから、法律で定められているから、確かにこれも答えの一つです。

私は暴力による解決は「思考の停止(考えないこと、考えることをやめてしまうことですね)」であるから良くないと考えています。暴力による訴えには、議論や話し合い、協働で何かを作り上げるという建設的な営みがないから問題があるのです。

同時に、暴力を武器の使用や殴ったり、蹴ったりなど身体的暴力だけととらえないことも大切です。暴力には精神的なもの、経済的なもの、社会的なものや性的なものなどいくつもあり、当然、言葉による暴力もあります。

皆さんは、「同調圧力」という言葉を聞いたことがあると思います。これは、少数意見を持つ人が多数の意見に合わせるように暗黙のうちに強制するものです。たとえば「話し合いの場で周りと違った意見が言えない」、「仲間からの誘いを断れない」など生活の中では、こういったプレッシャーを感じる場面があるのではないでしょうか。このような場合、しんどくて辛い思いをしているのであれば、それは暴力を受けているのと同様です。そして、周りと同じにしないといけない、合わせないといけないという場面ではまさしく「思考停止」が起こっています。

私たちが健全に、また幸せに生きていくためには、そして暴力を許さない平和な社会を作るためには、思考停止に陥ることなく、自分自身で考えていかねばなりません。自分たちを取り巻く世界や社会について疑問に思い、よく考え、また正しい情報を得て分析することが必要です。

親が言ったから、先生が言ったから、周りの大勢がそう言ったから、友人が言っているからという理由で物事を受け入れるのではなく、自分で正しい情報を見抜いてよく考えることです。

いつも言っていますが、皆さんはこれまで予測されなかった、世界規模で変化の大きい社会を生きていかねばなりません。これまでの常識や習慣では対応できない、新たな課題に一人ひとりが立ち向かわねばなりません。そのためには、思考停止に陥ることなく、自分の頭でよく考える習慣をつけてください。

最後に、3年生の皆さんは進路選択という重要な局面を、また12年生の皆さんは科目選択など、何らかを決定しなければならない時期を迎えていることでしょう。いま、話したように雰囲気や誰かの意見に流されることなく、自ら考え、選択や決定をしてほしいと思います。

では皆さん、体調には十分気を付けて、それぞれの目標に向けて充実した夏休みを送ってください。以上で式辞を終わります。

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