東京に行ってきました

先月27日~28日の1泊2日、本校から教員6名で、東京の公立高校に見学に行かせていただきました。

27日は、東京都立戸山高等学校にお邪魔しました。

戸山高校は、東京都の進学指導重点校、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)、チームメディカル指定校(TM)にも指定されている、東京都有数の進学校です。TMは大阪府にはない制度ですが、国公立医学部医学科への進学を希望する生徒を対象にした、様々な取り組みを行っているそうです。

まず、2年生の探求の授業を見学させていただきました。2名の生徒がそれぞれ、自分の研究テーマや考察を前で発表し、それに対して5人ぐらいのグループで意見を出し合う、というスタイルでした。研究テーマは教科とは一見関係なさそうな「授業中の睡魔から逃れるためには」や「TVのCMをより効果的にするためには」など堅くない内容でしたが、どんな時に眠くなるのかを科学的にアプローチしたり、大学の文献も調べたりなど、非常に興味深い発表でした。また、先生からのアドバイスで「研究していくと、どんどん広げたくなるけれど、深めていくことが大切」という言葉が印象的でした。

その後、進路指導の先生から、戸山高校の取り組みについてお話を伺いました。戸山高校の大きな特徴として、文理に分かれるのは3年生から、というのがあります。大阪では2年生で分かれるのが普通なので、3年からで間に合うのかを聞いてみました。東京は大阪とは比べ物にならないぐらい、中高一貫校が多く、そういう学校は高校1年生で高校の内容が終わっている。でも「君たちは、そういうこと(3年まで高校の内容は終わらない)をわかってこの学校を選んでるんだよね。」と自信を持って指導出来ている学校は凄いなあと思いました。実際この学校で2年かけて基礎力をみっちりつけて合格する生徒たちは「全部の教科は繋がっていることが、入試前にだんだんわかってきた。要らない教科なんて無い。」と言うそうです。

戸山高校は、地下鉄「西早稲田」駅から徒歩5分以内の、文教地区にあります。当然早稲田大学の目の前で、大隈重信の像がありました。高校に通いながらも、毎日大学生を見ることが出来るのもうらやましいなあと思いました。

翌日は、東京都立小山台高等学校にお邪魔しました。この学校は最寄り駅から徒歩30秒と聞いていたのですが、ホントにその通りで、駅の改札を出ると目の前に学校がありました。この高校も東京都の進学指導特別推進校に指定されている学校ですが、野球部が2014年の春の選抜大会で甲子園に出場という、まさしく文武両道の学校です。野球部員は全校で100名、男子の5人に一人は野球部員だそうですが、その他のクラブも輝かしい実績を残しているそうです。

ここでもいろんな教室に自由に入れていただき、授業を見せていただきました。たまたま数学の授業が多く、3年生の演習は同じテキストを使っていたので、興味深く見せていただきました。演習している問題に対して、生徒同士が自由に解法を話していて、非常に活気ある授業でした。

また、授業中なのに、図書館や職員室の前などで自習している人を時々見かけました。昨日の戸山高校もそうでしたが、3年生になると全部のコマが埋まらない、つまり大学生のような空きコマがある人が選択科目によっては出てくるそうです。これも大阪では考えられない話です。進路指導に関する資料もたくさん見せていただきました。本校もこんなふうにまとめれば使いやすいなあと思う点もたくさんありました。

そして、特筆すべきはこの学校の自習室です。自習室というか、学校の同窓会が母体になっている財団が所有しているビルがあり、その中の部屋を使えるのだそうですが、その豪華なこと!

333.jpg

この会館には、自習室の他、コンサートホールや、国際交流のコーナーもありました。もちろん、財団からの補助で、海外留学もできるそうで、それに関する発表物も展示されていました。

自分がこの2日で強く感じたことは、両校とも学校での教育活動(進路指導だけでなく、文化祭体育祭などの行事や、保護者懇談など)が1枚の絵になっていて、すべてが繋がっている、ということでした。昨年訪問した京都市立堀川高校の進路指導の先生も「学校でも取り組みはすべて進路につながっています。」とおっしゃっていましたが、自分にはそういう観点がなかったなあと思いました。同行した他の先生も様々なことを感じ、学んだ2日間だったと思います。今年は、11月に福岡、12月に愛知にも行く予定です。

小山台高校から、電車で5分の位置に東京工業大学があると聞き、最後に寄ってきました。

555.jpg

近年、どの大学もリケジョ(理系女子)向けのイベントを行っています。今日も学校に「女子高校生のための東京大学講座」のチラシが届きました。東工大でも、チラホラ女子学生を見かけました。9月末とは思えない暑さに負けて、校内を隈なく見たわけではありませんが、ここで勉強したいなあ、と思えるキャンパスでした。本校からの受験者は少ないですが、京都大学に負けない大学です。是非目指してほしいと思いました。

今回、受け入れてくださった高校には感謝の言葉しかありません。惜しみなく、いろんなことを教えてくださいました。生野高校に活かせることを出し合い、今後につなげていきたいと思います。