驚異の成長!三丘生の底力を見せたSGH京都宿泊研修

4月から数えて遂に30本目の校長ブログです。この間私がずっと言い続けてきたのが「ホンモノ」と出会うことの大切さです。三国丘高校に進学するメリットを問われれば、私は一番に「ホンモノから学ぶことができること」を挙げます。ホンモノに触れることができれば高校生はびっくりするくらい成長します。特に本校生徒(三丘生)は大きく成長するためのポテンシャルを持っていると思います。それを底力と呼ぶならば、SGH京都宿泊研修は三丘生が存分にその底力をみせてくれた5日間と言えます。研修後半の報告と引率教員が見た生徒たちの成長について報告します。

3日目の午後は京セラ本社の隣の施設にある稲盛ライブラリーを見学させていただきました。創業者稲盛氏の言葉やそれに関連した資料を見学しながら、担当者の方の説明を聴かせていただきました。稲盛和夫氏の経営哲学や社訓など難しいお話も実際のエピソードを交えながらわかりやすく説明してくださいました。続いて訪問した京セラ本社では、最新の自動車に使われるセンサーやセラミックスの加工技術、セラミックヒーターの仕組みや、プリンターの他なんと!人工的に再結晶させたエメラルドまで見ることができました。滞在時間が限られていたのが残念でしたが、生徒たちは興味津々で見入っていました。

ホテルに帰って、16時から本校定時制の卒業生であり、京セラの社長や会長(CEO)を歴任された西口泰夫様とZoomで交流会を行いました。西口様は京セラ本社の2Fで見学させていただいたいくつもの展示品の開発に携わっておられ、生徒にとってみれば自分たちがついさっき見てきた製品を開発した方が今目の前でお話をされているということに大きな驚きがあったようです。生徒からは、経営者としての考え方や、仕事のやりがい、苦労したことなど次々と質問が飛び出しました。今も日本の産業の未来のために、次を見据えて仕事に励んでいるという西口様の言葉に、常に向上心を持つことの大切さとカッコ良さを感じた生徒も多いのではないかと思います。引率した教員も、6万人を超える従業員をもつ会社のトップになられた方の言葉には深みと重みがあると感じたようです。

21時からはオンラインによる国連ツアーに参加しました。国連職員の方から国連の概要説明をしていただいた後、安全保障理事会や総会、経済社会理事会の会議場の写真を見せてもらいました。また、PKF(国連平和維持軍)の活動内容やSDGsの取組など国連の活動についても詳しく説明していただきました。続いて、日本人職員の方がご自身の経歴やご担当されている部署のお話をしてくださいました。日本は国連への拠出金が多い(アメリカ、中国に次いで世界で第3位)割に日本人職員が少ないのが現状であり、国連をはじめとした国際機関で働く日本人を増やすのが課題であるといった認識も示していただきました。ここでも刺激を受けた生徒が多く、たくさんの質問が出ました。初日と比べて明らかに違うのは質問をする積極性だったようです。英語での質問にも臆さず挑戦する姿勢に生徒たちの成長が感じられたそうです

4日目の午後は、グループに分かれて最終日(翌日)のプレゼンテーションのための準備をしました。勿論プレゼンはすべて英語です。当然、不安な気持ちもあったでしょうが、自分たち自身の力を信じて細部まで工夫を凝らす様子が伺えたそうです。

いよいよ最終日。ホテルのパーティルームでプレゼンテーションが始まりました。引率の教員は事前学習の段階からずっと生徒たちと関わってきましたので、言い換えれば、成長を一番近くで見続けてきた人たちです。生徒が伸び伸びとプレゼンテーションに臨み堂々と英語で質疑応答に対応する姿に三丘生の驚異の成長率を感じたと言います。

ただ単に英語を使うというのではなく、自分たちで設定したテーマについて探究しその成果を自分たちの言葉にして英語で発表する...どんな質問が来るか予測不能な状態でも堂々と質疑応答に臨む...こんなことができるようになるのは学習の積み重ねがあったからです。英語の学習だけではなく、京大特別講義や、京セラ見学および元京セラ会長との交流会、国連ツアーなどホンモノとの出会いを通して、自分の頭で考えることの重要性や積極的に質問する態度が育ったのだと思います。大きく成長した三丘生にはまだまだ大きな伸びしろがあると確信しています。