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三丘生の本気を見てくれ!ホンモノが鍛える二度とない夏〈SGH京都宿泊研修/リーハイ大学オンライン講義〉

本校では米国への海外研修を毎年実施しています。米国ペンシルバニア州にあるリーハイ大学に行きビジネスに関する教授の講義を受け、ニューヨークにも行って国連本部等を視察するというプログラムです。それがコロナの影響で現地に行けなくなり2年が過ぎました。昨年度はリーハイ大学のご厚意によりオンライン講義を受講させていただくことになり、生徒(希望者)は自宅から受講しました。今年度も新型コロナウイルス感染拡大のため受け入れが難しい旨リーハイ大学から連絡がありましたので、昨年度同様オンライン講義を受けることになりました。が、それだけで満足しないのが三国丘高校です。SGH担当の先生方で案を練り、実現したのがSGH京都宿泊研修です。8月1日(月)に出発し5日(金)に帰阪予定ですので、今日(3日)はちょうど中日になります。卒業生や関係機関の皆様方に支えられ導かれて独自の教育活動を生み出してきた三国丘高校の真骨頂ともいえるこの取組の途中経過を報告します。ご覧ください。

SGH京都宿泊研修には希望した1,2年生33人が参加しています。まずはSGH京都宿泊研修実施に至る経緯とプログラムについて説明します。せっかくリーハイ大学のオンライン講義を受けるのだから個別に自宅で受講するのではなくみんなで受ける方が研修効果が高まるのではないかというのが最初の発想です。それなら宿泊で、しかも京都で行えば...ということで京都大学副学長の河野泰之先生(三国丘高校卒業生/本年度から学校運営協議会委員)にご相談させていただいたところ、何と河野先生の特別講義も受けさせていただけるという話になりました。さらには、京セラの社長や会長(CEO)を歴任された西口泰夫様が三国丘高校定時制の卒業生であるという縁もあり、京セラへも見学に行かせていただくことになりました。西口様は生徒との交流会にもご参加いただけるとのことです。リーハイ大学のオンライン講義は時差の関係で毎日午前8時に始まりますので、2日(火)の午後は京都大学東南アジア研究所にて河野先生の講義(ディスカッションやプレゼンテーションを含む)、3日(水)の午後は京セラにて研修(西口様との交流会を含む)、4日(木)の午後はホテルでプレゼンの準備に充て、最終日の午前はいよいよリーハイ大学の先生方の前で各グループのビジネスプランについてプレゼンテーションを行うという超ハードなプログラムです。以下、引率の先生から送られてきた状況報告を纏めたものです。

〈リーハイ大学オンライン講義について〉リーハイ大学オンライン研修では、生徒は少しずつオンラインでの英語のやり取りに慣れてきました。教授陣の講義を聞き、その後1班に1人ついてくれているリーハイ大学の大学生(メンター)と頑張ってビジネスプランを作っています。

〈京都大学特別講義について〉ベトナムの都市開発、マレーシアの高齢化社会問題、ミャンマーのLGBTQ問題の3つのグループに分かれ、それぞれドキュメンタリーを見て、先生方から出されたお題を議論しあい、発表しました。例えば、ベトナムの都市開発については以下の点について熱い議論を交わしていました。

このドキュメンタリーの主人公は自分たちの社会が不公正に満ちていて、正義がまかり通らないと思っている。あなたは、自分が住む社会も同じような状態だと思うか。もしそうならどのような不公平感を感じ、なぜ正義がまかり通らないと思っているのか。もし不公正を感じていないとしたら、正義がまかり通る社会が実現できているのはなぜか。

社会が不公正で正義がまかり通らず、それがあなたの生き方に悪い影響を与えているとき、あなたがとる対応は、ドキュメンタリーの主人公のように強く自己主張するか、黙って受け入れるかどちらかだが、その判断基準は何か。

社会における公正や正義とは何か。

何が公正か、多数の意見は正義になるのか、LGBTQは何が問題とされるのか、恋愛とはどういうことか、どうすれば若者は高齢者との距離を縮められるのか、など深い議論を繰り広げていました。生徒たちは仲間との議論をとても楽しみながら、京都大学の先生方のリードでレベルの高い話し合いができたことを感謝していました。「学校の先生たちは、政治や宗教などの話題を話すことに制限があるのかもしれないけど、こんな話をたくさんしてほしい」「もっと仲間と議論したい」など、嬉しい感想がたくさん聞けました。

以上が引率の先生からの報告です。答えのない、或いはいくつも答えのある問いに対して真正面から向き合うことは生徒にとって極めて貴重な経験だと思います。京都大学でまさにホンモノに触れ、最新の研究成果に接することは三丘生の知的好奇心を刺激し、今後の生き方にも関わる大きな変化(成長)に繋がると考えます。また、リーハイ大学の学生さんと一緒にビジネスプランを創る過程は英語力や発想力、議論する力など多様な能力を一度に試される得難い経験になっていると思います。どの課題にも三丘生らしく明るく元気に、前向きに取り組んでほしいと願っています。