• トップ
  • 2022年
  • 9月
  • 夢のような時間!サッカーワールドカップ3大会連続日本代表GK川島永嗣選手とオンライン交流

夢のような時間!サッカーワールドカップ3大会連続日本代表GK川島永嗣選手とオンライン交流

9月3日(土)、本校視聴覚教室は熱気に溢れていました。何と、あの川島選手が三国丘高校とオンラインで交流してくれたのです。きっかけは、ビジネスプランの世界大会で最優秀賞を獲得したレルカップ(本校3年生女子生徒7名のチーム)です。彼女たちはこのコンクールの主催者の招待でフランスに行く予定でした。何とか7人をフランスに行かせて様々な体験をさせたいと考えた担当の先生が本校の卒業生である川淵三郎先生に相談をしたところ、日本サッカー協会の方でフランスに詳しい方をご紹介いただくことになり、計画は着々と進んでいました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大により当該のイベント自体が中止になり落胆していたところ、なんと!サッカーワールドカップ3大会連続で日本の守護神をつとめたゴールキーパー川島永嗣選手がオンラインで交流してくださるという話が舞い込んできました。レルカップは勿論、それ以上にテンション爆上がりになったのはサッカー部です。9月3日(土)はレルカップのメンバーとサッカー部員全員が視聴覚教室に集結し、スクリーンに川島選手が映し出されるのを待ちました。

川島選手はフランス語、ドイツ語、オランダ語など複数の言語が堪能であることでも有名ですので、語学力に関することを含めてまずはレルカップからいくつかの質問をさせていただきました。ユーモアを交えながら丁寧に答えてくれる様子はゲーム中にみせる厳しい表情からは想像できないくらい優しく、その優しさの裏には自分を信じて外国を転戦する一人のサッカー選手としての矜持があるように感じました。人としてとても魅力的だと思いました。レルカップのメンバーもそのことを強く感じていたと思います。

サッカー部員からの質問は多岐にわたりました。オウンゴールをしてしまった経験を語り、どのように心の整理をしたらよいのかを質問した部員がいました。PKに臨むときの心の持ち方について質問した部員(GK)もいました。今まで一番すごいと思った選手は誰ですかと問われた川島選手から、メッシ選手の名前が挙がったときは視聴覚室全体がどよめきました。

その後、川島選手から3つのお話をいただきました。プロサッカーという厳しい世界、しかも海外で闘い続けている川島選手にしか表現できない言葉をいただきました。直接聴かせていただいた本校生徒だけのものにしておくのはもったいないので、このブログを読んでくれているすべての高校生や中学生にお伝えしたいと思います。私の主観が入った要約ですが、きっとみなさんの心にも響くと思います。

1つめは、ヨーロッパでよく車を運転するという話から始まりました。現在、川島選手が住んでいるフランスのストラスブールという街から車で2時間も走れば長谷部誠選手が所属するチームがあるドイツのフランクフルトという街に着くらしく、車で日本人選手に会いに行くことも多々あるそうです。以前、ベルギーのチームに所属していた時ドイツに向かう車中でラジオをつけていると、オランダが近づくにつれベルギー国内の"訛りのあるオランダ語"から"訛りのないオランダ語"に変わっていき、オランダを経てやがてドイツに入った頃にはドイツ語の放送に変わっていくという体験をしたそうです。日本ではありえないこのような体験から、川島選手は自分の考え方が正しいのかどうか常に考えるようになったと言います。国や言語によって発想の仕方も考え方も大きく変わります。若者はどんどん海外に出て、いろんな考え方に触れることで成長してほしいというメッセージをいただきました。

2つめは、自分で考えて動くことの大切さに関する話です。日本の高校では、先生の言うことを聞くのが正解と思っているかもしれないけれど、海外では自分で考えて行動しなければ認められないということを教えてくれました。サッカーのことだけではなく日常生活においても自己主張がなければ相手にしてもらえないところがあるらしく、自分の頭で考えて行動することがこれからの若者には求められるのだというメッセージをいただきました。

最後のお話は、なぜ4回目のワールドカップ出場をめざすのかという話です。世間から見るとワールドカップに出場すること自体が成功であり成功者は称えられるが、達成感や幸せは一時的なものであり次の成功をめざさないと今は過去になってしまうという趣旨の発言がありました。厳しい道を歩んでこられた川島選手だからこそ到達できた境地だと思いましたが、その理由としてこんなことを聴かせてくださいました。「ワールドカップに出場したとき正解だと思っていたことは4年後のワールドカップではもう正解ではなくなっている...」私にとっては衝撃的な言葉でした。そのうえで川島選手は「成功も幸せも向こうからやってくることはない。だから自分で掴み取りに行くしかないのだ。そのためには闘い続けるしかない。」非常にシンプルですが本質を射抜いたような鋭いメッセージだと思いました。

川島選手と交流させていただいた生徒たちがこの経験を直ちにすべて消化することは難しいと思いますが、いつか思い出して、あの時仰っていたことはこのことだったのかと気づく日が来ると思います。本当に得難い経験をさせていただきました。まさに夢のような時間をプレゼントしてくださった川島選手、この機会を設定してくださった日本サッカー協会の茂木さん、そして母校の生徒たちに素晴らしい出会いをくださった川淵三郎先生に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。