• トップ
  • 2023年
  • 10月
  • 【投稿記事】化学の先生が驚いた実験後感想文...生徒がコロイド溶液実験の先に見たもの

【投稿記事】化学の先生が驚いた実験後感想文...生徒がコロイド溶液実験の先に見たもの

 理科(化学)の先生から投稿していただきました。最近、生徒や先生方からの投稿記事が増えているのが本当に嬉しいです。生徒にしてみれば、母校である三国丘高校や自分が所属しているクラブへの親しみや愛情、教員からすれば、教育実践への誇りや三国丘高校の良さを知ってもらうことの意義を感じるからこそ、これだけ多くの投稿記事が寄せられるのだと思っています。私は校長として、三国丘高校が今よりもっと多くの中学生の憧れになってほしいし、このブログが高校選びの決め手になってくれたらこんなに嬉しいことはありません。

 さて、今回投稿してくれたのは化学の授業中に行う実験のことです。先日私も見学に行かせてもらったのですが「コロイド溶液」に関する実験です。早速、投稿文をご覧ください。

2年理系の実験を通して

2年生の理系化学では、『コロイド溶液』という単元があります。分子やイオンよりは大きく、沈殿するような物質よりは小さい粒子をコロイド粒子といいます。身近な物質では、マシュマロや牛乳のような食べものや工場からでる煙や空に浮かぶ雲もコロイド粒子に分類されます。

このコロイド粒子は、ろ過するときに使うろ紙は通過しますが、半透膜は通過しません。これを利用したものが、『人工透析』です。本校には、医学部や看護学部など医療系をめざす生徒も多く、内容としては多くの時間をかけずに学習が終わる範囲ですが、本校では、コロイドを実感してもらうために化学実験を行っています。

先日、このコロイドの実験を行ったところ、多くの生徒の感想は「読んだだけではよくわからなかったけど、実際に実験をしてみてよく理解ができた」というものでしたが、以下のような感想を書いた生徒がいました。(原文まま)

●コロイドと普通の分子の違いが曖昧であったが、今回の実験で、その存在や半透膜は通れないとい う特徴を捉えることができた。また、どういう原理で保護コロイドの減少が起こるか気になったので調べてみると、そもそもコロイド自体が水中で不安定なため、浸水コロイドと疎水コロイドがくっつくからだと分かった。

●実験を通して、医療現場で行われている人工透析に興味を持った。透析治療には2種類のものがあり、血液透析器を通過させて行う血液透析と、内臓の表目の覆う腹膜を用いる腹膜透析があると知った。

 このように実験を通してその中で疑問や興味を抱き、自ら調べる生徒がいることに、学ぶことの本質を感じました。実験をやることそのものもとても生徒にとって貴重な経験となりますが、そこから自分でさらに学んでいく力をつけていくことが今後の人生においてとても大切なことだと思っています。

 三国丘高校では先生方の授業研究が盛んに行われています。この記事は、「コロイド溶液」の実験をするという教科担当者のねらいが的中し生徒が反応したという好例だと思います。授業を「習う」場としてではなく主体的に「学ぶ」場として捉えている生徒は素晴らしいと思いますし、そこをめざして授業をつくる教員も立派だと思いました。最後は手前味噌になってしまいましたが、これも三国丘高校の特色の一つと捉えていただければ嬉しいです。