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おめでとう!marupachi GLHS合同発表会で「大阪大学賞」を受賞

 「marupachi」は三国丘高校を代表してGLHS合同発表会に出場したチーム(4名)の名前です。この4名は本校のCSⅡ(探究活動)のSGH9班に所属しています。

 GLHSとか、CSⅡとか、SGHとかややこしい言葉が連続しましたので解説させてください。まずGLHSとは、Global Leaders High Schoolの頭文字を取ったもので、茨木・豊中・北野・大手前・四條畷・高津・天王寺・生野・三国丘・岸和田の10校のことを指します。次に、CSⅡとは三国丘高校の2年生が履修する授業の名前です。Creative Solutionsの頭文字を取ったもので、内容は探究学習です。最後にSGHとは、Super Global High School のことで、文部科学省が、海外の学校との交流や共同学習などに取り組む学校を指定して実施する国の事業のことです。この事業は現在、SGHネットワーク事業として継承され、三国丘高校は同ネットワーク参加校として活動を継続しています。

 さて本題です。2月10日(土)にGLHS合同発表会(主催:大阪府教育委員会、共催:大阪大学)が、大阪大学箕面キャンパスで開催されました。10校からそれぞれ1チームが出場し探究活動の成果を発表するというものです。発表を聴いた大阪大学の教授2名が質問をし発表者(生徒)がそれに答えます。質疑応答を含めて5名の審査委員が審査し特に優秀だった2チームを表彰します。

 私は、本番前日の9日(金)の放課後、marupachiの4人がプレゼンの練習をしているときいたので、激励するつもりで練習場所(会議室)に行きました。ちょうど通しでプレゼンをしているところだったので最後まで見ましたが、緊張で体がカチカチに固まっているのが一瞬でわかりました。「だいじょうぶ!身振りを入れるくらいリラックスしていこうぜ!」と励ましましたが、この時は(今だから言えることですが)ちょっと不安でした。

 marupachiの出番は10校中9番目。相当緊張したと思いますが、その時は来ました。「次は、誰もが使いやすいメイクブラシの開発marupachi。三国丘高校の発表です。」というアナウンスが流れ、4人が登壇しました。marupachiが考えたのは、事故の後遺症や病気などの影響で手先の力が弱くなった人たち向けのメイクブラシを開発して販売するというビジネスプランです。この分野で先行しているNPO法人に意見を聴いたり海外で販売している商品について研究したり、販売経路を検討したり。現場で日々治療している医師に意見を聴いたりした上で学校の3Dプリンターで試作品を作り、実際に使ってみて使い心地等を体感するという研究過程を丁寧に説明し、販売した場合の収支まで発表しました。発表の様子は、前日とはまるで別人!堂々と、にこやかに、表現豊かに発表してくれました。これには本当にびっくりでした。三丘生のポテンシャルの高さと度胸の良さを再確認させていただきました。

 審査の時間は去年の夏にGLHS10校から希望生徒を募って実施した、サンフランシスコ研修の報告がありました。オールイングリッシュで淀みなく繰り広げられるプレゼンはまさに圧巻でした。覚えた英語をそのまましゃべっているといった雰囲気の生徒は一人もいません。感情を込めたスピーチは、伝えたい思いが形になって飛び出しそうな勢いでした。

 いよいよ審査結果の発表! 三国丘高校を代表したmarupachiは見事「大阪大学賞」に輝きました。ここまで辿り着くまでにはいくつもの挫折があったと思いますが、どんな時も前を向いて乗り越えてきたことが4人の笑顔に結びつきました。4人は、三国丘高校で得難い経験をしたことになります。おめでとう!

 三国丘高校では、生徒全員が探究活動に取り組みます。数人の小グループで自走する探究活動は山あり谷ありです。意見が合わず紛糾することもありますが、知恵を出し合い前を向いて進んでいきます。今年度からはCSⅡが増単位(週1時間→週2時間)されたこともあり、より充実した探究活動が行われています。ひとつ前のブログでも書かせていただいたように、探究活動が学力向上の妨げになるという考え方は間違っていると思っています。その根拠として京都大学への推薦合格などの事象を挙げましたが、それ以前に、自分で設定した課題について自力で答を出すというプロセスそのものが学力の向上に寄与すると考えます。これが三国丘高校の大事にしている教育です。