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"大阪弁で古典文学"故中村博さん(高校13期卒)から著書を多数ご寄贈いただきました。

 事務室から、段ボール箱1杯分の本をご寄贈いただいたという報告があったので、開けて見てみるとびっくり!箱の中に入っていた本は38冊。しかもすべて一人の方の著書でした。校長 藤井光正 様と墨書された封筒が添えられていましたので開封すると、著者 中村 博 様の奥様からの言葉でした。そこには「ご活用していただければ主人もさぞ天上にて喜んでいることと存じます」とありました。奥様にお会いして直接お礼を申しあげる機会を逸してしまいましたが、心から感謝申しあげております。ありがとうございました。

 お手紙と一緒に、著者を紹介した新聞記事(2021年7月22日/大阪日日新聞)の写しもいただいていましたので、この中から少し紹介してみたいと思います。勿論、この記事で紹介された本も今回ご寄贈いただいています。

 (以下、記事から抜粋 年齢は当時の年齢)古典を大阪弁で現代語訳するアマチュア研究者の中村 博さん(78歳/堺市在住)が、新作『大阪弁びっくり源氏物語』を刊行した。(中略)中村さんは高校生の頃、万葉集研究の大家 犬飼 孝 さんと出会い万葉集に傾注。古希を迎えた頃から「万葉集みじかものがたり」「七五調 源氏物語」「叙事詩的 古事記ものがたり」などの刊行を続けている。

 源氏物語を大阪弁で...? ちょっと想像がつかなかったので、新聞記事にあった『大阪弁びっくり源氏物語』のページを開いてみました。源氏物語で一番有名なくだりと言えば冒頭の「いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり」という部分だと思いますが、これを大阪弁に訳すと「誰の帝(みかど)の時やろか、皇后(きさき)候補の予備軍の、女御(にょうご)や更衣(こうい)多数(ぎょうさん)が、仕えておったその中で、天皇(みかど)の血筋と違うけども、大層(ごっつ)好かれた女人(ひと)居った」となるそうです。七五調になっているせいか、すらすら読める感じがしました。多数を"ぎょうさん"とか大層を"ごっつ"とか...うまい!と唸らせるような大阪弁訳が素敵だと感じました。

 最後に、私から著者の 中村 博 さんにお礼のメッセージを送らせていただきます。天上で読んでいただければ嬉しいです。

 こんなに面白い本を多数(ぎょうさん)書かれた 中村 博 さんのことを今の三丘生に伝えるため、いただいた本は図書室に置かせていただきます。読んだ三丘生は古典を身近に感じるとともに、母校と中村大先輩のことが大層(ごっつ)好きになると思います。