これまでも何度かご紹介してきた、第78期(2年生)学年通信「燈火~ともしび~」の最新号が出ました。なんと、早くも第46号です!しかも、今回はB4サイズの用紙2枚に両面刷りの特大ボリューム!そこに書かれていたのは、学年団の先生方23人の「おすすめ本」でした。
せっかくですので、このブログを読んでくれている三丘生や中学生、更には、保護者の皆様にも、いくつかご紹介させていただきます。①おすすめしている先生の教科・科目②おすすめ本の著者と本のタイトル③おすすめポイント・理由など の順番に書いていきます。ご覧ください。
① 理科(生物)
② 若林正恭『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』
③ "芸能人が書いた本"と侮るなかれ。一見すると、キューバ・モンゴル・アイスランドの旅行記ですが、中身はただの旅エッセイではない。若林さんの気づきや"ナナメ"の視点に触れて、日常をもっと大切に、感受性豊かに生きたいと思わせてくれます。本棚で背表紙を見つけるたびに読み返してしまう、私の推し本です。特に「日本で生きていくのは息苦しいな」と感じている人におススメ。私たちが思う「当たり前」は本当に「当たり前」なのか?読書を通して、海外旅行の追体験を。
① 数学
② 結城 浩『数学ガール』シリーズ
③ 高校生の「僕」が数学ガールたちと数学に取り組む物語です。タイトルだけ見て侮ることなかれ。読み物形式ながら、扱う内容は「フェルマーの最終定理」「ガロア理論」など本格的なものばかりです。私自身「この式、どこから出てきたん??」の連続でした。紙とペンを片手に、1ページ読むのに数時間、数日かかる経験も良いものですよ。高2の夏、数学の世界にどっぷり浸かってみませんか?
① 社会(地理)
② 池上 彰『そうだったのか!現代史』(シリーズ全5冊)
③ 民族紛争によるテロ事件、混迷をきわめるパレスチナ問題、北朝鮮問題など、日々世界中から伝わってくるニュースの背景には、事件に至るまでの歴史がある。そして、その少し前の歴史を知っていれば、ニュースが鮮明になり、世界が読めてくる。『知らない』ではすまされない現代史の基礎知識を、ジャーナリスト池上 彰氏がわかりやすく解説する、現代史入門の決定版。読みやすい文章と分量で、それでいて普段のニュースにも興味が持てる、親しみやすい本だと思います。この本を機に、是非、世界の情勢にも興味を持ってほしいと思います。
① 国語
② 山鳥 重『「わかる」とはどういうことかー認識の脳科学』
③ 「わかった!/わからん...」普段何気なく使うこの「わかる」とは一体どういうことなのか。私は、大学生の時に読んだのですが「高校生のときにも読んでおきたかったな」と、当時思ったので今回おすすめしました。著者は、脳の高次機能障害の臨床医です。専門的な用語だらけなのでは?と思うかもしれませんが、語りかけているようなやさしい文章で書かれていますので、ご安心を。最後にこの本からの引用を。「人間は生物です。生物の特徴は生きることです。それも自分で生き抜くことです。知識も同じで、よくわかるためには自分でわかる必要があります。自分でわからないところを見つけ、自分でわかるようにならなければなりません。自発性という色がつかないと、わかっているように見えても借り物に過ぎません。」
① 養護教諭
② ヨシタケシンスケ『メメンとモリ』
③ 人生には自分で選べないことがある。けれど、自分で選べることも沢山ある。何を選ぶかは自分次第。選んだもので人生は成り立つ。たとえ選べないことでも、それをどう受け止めるかによって、人生の彩りは変わる。イラストいっぱいのかわいい絵本です。子どもも大人も、きっと皆さんも、色々と考えるきっかけとなると思うのでおススメです。
世間で、若者の読書量が減っていると言われて久しいですが、三丘生や中学生のみなさんはどうですか?実は、私、すごい量の(しかも多様なジャンルの)本を読んでいる三丘生を一人知っています。年に1回、先生方の授業を見学させてもらうのですが、その日はチャイムが鳴る時間の少し前に教室に着いたので休憩時間の様子を何となく眺めていました。すると、賑やかな教室の中で一人静かに本を読んでいる生徒がいます。読書中に申し訳なかったんですが「休憩時間はいつも読んでるの?」と話しかけると、明るい声で「はい、1日で1冊読み切ることもあります」と答えてくれました。読書が習慣になるってこういうことなんだ!と感心した記憶があります。彼女のように読み進めることは難しくても、このブログを読んでくれた人の中で「おすすめ本」に少しでも興味を持ってくれる人が出てきたら嬉しいです!