• トップ
  • 2024年
  • 9月
  • 3年生の保護者で視聴覚教室は超満員! 『支える』の意味を問う学年連絡会

3年生の保護者で視聴覚教室は超満員! 『支える』の意味を問う学年連絡会

 視聴覚教室と言えば、どの高校でも一番大きな教室ですが、その視聴覚教室が超満員になりました。固定の椅子では足りないので、空きスペースにはパイプ椅子を敷き詰めましたが、それでもギリギリという感じでした。催されたのは、3年生(77期生)学年連絡会です。

 学年連絡会というのは、年に2回行われる保護者集会のようなものです。その時期に伝えるべきことを学年団の先生方から保護者のみなさんに伝えます。伝えるのは単に事務的な連絡ではなく「考え方」や「接し方」も含まれます。今回は、共通テスト出願に際しての留意事項や特別選抜について、模試の予定や受験料のことなど多岐にわたりましたが、単に手続きのように見える細かなことの底流に流れているのは『受験生を支える』という基本的な「考え方」でした。

 進路指導担当の先生が言った言葉が、とても印象に残っています。「子どもから相談を受けたら、まず傾聴です」。当たり前に聞こえるかもしれませんが、受験期の高校生の心理を読み切っている言葉だと思います。受験生が保護者や教員に相談するというのは、必ずしも答えを求めている訳ではないということです。一人ではどうしようもない不安に苛まれている時に、答えとなるアドバイスを返しても不安は軽減しません。子どもは、不安な自分を受け止めてほしいと願っているのですから。ここまでわかっていれば採るべきスタンスは決まってきます。とにかく聴くこと、即ち「傾聴」です。聴いて、不安な(或いは辛い)気持ちに寄り添うことこそが大事だということになります。

 超ベテランの学年主任からはこんな話もありました。早くから志望大学を下げたらそれに見合う勉強しかしなくなる。そうすると学力の低下が起こってしまう。それだったら最後まで第1志望に拘り、レベルを保った受験勉強を続けた上で、最後の最後に、どうしても難しい...となった時に受験する大学を見直せば良い。そうすれば、学力を下げることなく受験できるので、心配なく受験の日を迎えられる...とのことでした。現役生は共通テスト後でも学力が伸びると言われています。本人だけではなく保護者も大きな不安を抱えることになるでしょうが、そこで、一緒に不安を語るのではなく、教員と心を一つにして、子どもを支えることが大事だということです。それができるのは、一番近くにいる、保護者と教員だけなのですから。

 『支える』という言葉は、その対象が誰であるのかによってその意味が大きく違ってくる言葉なのかもしれません。受験生を『支える』とは、どんな考え方に基づくどんな接し方のことを言うのか...深く考えることができた貴重な時間でした。

カレンダー

2025年4月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30