みんさん! 京都大学GANGSTERS って知ってますか?京都大学アメリカンフットボール部です。私などの世代は、京大といえばアメフトでした。1980年代中盤以降の快進撃は今も記憶に残っています。甲子園ボウルでの勝利(学生日本一)は勿論、当時全盛期だった社会人チームを下して何度も日本一に輝いています。なんと、そのGANGSTERSの選手が京都大学を案内してくれたんです。それだけじゃありません。歩きながらいろんなアドバイスをくれ、三丘生と一緒に昼食まで食べてくれたんです。こんな、夢みたいな話、きいたことあります?密着取材してきましたので、じっくりご覧ください。
昨日(12月22日)の朝、たくさんの高校生が京都大学の時計台前に集合しました。三国丘高校の他GLHSのうち3校にもお声掛けいただいたらしく、京都大学への憧れが凝縮したような集団ができあがりました。生徒数人に一人以上の割合でついてくれたGANGSTERSのメンバーが学内を案内してくれます。私も同行させてもらいました。
GANGSTERSが普段練習しているグラウンドです。スタンドは勿論、大型電光掲示板もある立派なスタジアムでした。スタンドの後ろには大文字山が控え、京都感満載の立地でした。
歩きながらいろんなことを話しました。京都大学に進学しようとした動機や大学の講義のこと、京都での一人暮らしや休日の過ごし方など、学生さんと直接話さないと絶対にわからないことをたっぷり教えてもらいました。このグループには三丘生の他に大手前高校と四條畷高校の生徒が含まれていましたが、高校生同士もお互いに気兼ねなく話し、徐々に心が通い合っているのがわかりました。
昼食は、GANGSTERS御用達の定食屋さん「ケニア」に連れて行ってもらいました。壁にはライスのサイズが貼られています。「小盛」「中盛」「大盛」「超大盛」。さすがに高校生は「大盛」までにしたようですが、GANGSTERSのお二人は「超大盛」でした。お茶碗というよりちょっと小さめのお櫃くらいある器にたっぷりと盛られたご飯は圧巻でした。ご飯を食べながらもいろんな話に花が咲きました。高校生にとって京大生をこんなにも身近に感じられる時間は本当に貴重だと思いました。時計台の前に戻ってきた頃には、高校生たちはもう完全に弟分や妹分になっていました。
これだけでも十分すぎる体験だったのですが、この日は午後からも京都大学で過ごすプログラムが用意されていました。GLHS10校の生徒を対象とした京都大学ツアーです。時計台ホールで行われた全体会で講演を聴いたあと、分科会は各テーマに分かれて大学院博士課程で学ぶ院生の講義を受けました。
この日一日、いろんなお世話を担当してくれた大塚首席がレポートしてくれましたので、ご覧ください。
京都大学キャンパスガイド 理学分野「体内時計の正体に迫る!? 時間生物学入門!」
12月22日(日)14時30分からは分科会に分かれてGLHS10校の生徒たちはそれぞれ自分たちの興味のある分野の講義を聴くことになりました。ここでは、分科会D 理学分野「体内時計の正体に迫る!? 時間生物学入門!」について紹介したいと思います。
講師は京都大学大学院理学研究科生物科学専攻植物学系に在籍する上野稜平先生(博士後期課程3回生)です。上野先生は天王寺高校の卒業生で、高校時代は数学を専門としたいと思っていたが、最先端を発見できる時間生物学に魅了され、大学院では体内時計に関わる生物の遺伝子について研究しているそうです。授業がとても上手で、最初の問いは「時間って何ですか?」というものでした。さすがGLSH10校の生徒だけあって、「将来と今を結ぶ間のもの」「四次元の中の一つ」といった回答が次々にあがりました。体内時計は皆がもっているが、明暗の与え方によってズレが生じてしまうという点や、規則正しい生活をしないと体に様々な悪影響が出るということを生物学的視点で解説していただきました。
16時に授業終了だったのですが、その後も各校から様々な質問が飛び交いました。「冬眠した熊の対内時計はどうなっているのか」「地球の自転と体内時計は関係あるのか」などなどです。最後の質問を終えたときには17時を過ぎていました。その後に上野先生の方から残っている生徒たちに、「ラボを見てみますか?」というお誘いがあり、本校の1年生8名が研究室にお邪魔しました。最先端の機器から、著名な先生がかつて作成した実験器具など、他では絶対に見ることのできない興味深いものをたくさん見せてもらいました。生徒の進路選択につながる大変貴重な機会を与えていただき感謝の気持ちでいっぱいでした。
本当にお世話になりました。
こんな一日が三丘生に刺激を与え、憧れが強化されることによって、もしかしたら人生そのものを動かすような変化が起こる可能性があります。全体のプログラムは終わっているのに、こんな遅い時間まで質問していた高校生は三丘生だけでした。凄いご迷惑をお掛けしたと思う反面、校長としてはちょっと嬉しいです。人を動かす原動力は"憧れ"なんですから...。
こんな風に京都大学との繋がりを持たせてもらい、しかも、京大院生にここまで喰らいつく生徒がいる三国丘高校が、また好きになりました。