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答を教えるんじゃダメ。答に辿り着く手順を教えることが大事!京大過去問からも学ぶ教員研修を開催

 今日は、国公立大学二次試験の日です。3年生は、自分の持てる力のすべてを出し切ってくれています。先週末、校長室に一人の3年生が来てくれました。不安そうに見えたので「どうした?」と訊くと「キットカットをもらいに来ました」と答えてくれました。

 私は、嬉しくなってバスケット(いつもキットカットを入れている蓋付きの籠)を彼女の前に置いて「好きなだけ持って帰っていいよ」と言いました。目を輝かせてキットカットを選ぶときの顔は、その瞬間だけ受験生であることを忘れることができているように見えました。

 いろんな不安を吐き出してくれたので、私は「このキットカットを食べれば必ず合格するから、自分を信じて頑張れ」と言い、部屋を送り出す直前に折り鶴(キットカットの包み紙で折った折り鶴)を渡しました。ドアを出るときには笑顔で「折り鶴はお守りにします」と言ってくれました。

 大学受験というのはとてもとても大きなプレッシャーだし、高校生にとっては人生の一大転機と思える瞬間です。今までの努力がこの1回のテストで評価されるのですから無理もありません。逆に言えば、高校生を指導する我々教員はそんな思いを受け止めるべきですし、三丘生の高い志にきちんと応えることができる指導力を身に着けておくことが、三国丘高校教員の必須条件となります。

 そういった指導力を培うために、本校では教員研修を何度も開催しています。直近の開催は2月21日(金)、テーマは「読解力」です。読解力はすべての教科学習の基礎となるものです。土台がしっかりしていないと砂上の楼閣になってしまいます。講師をつとめてくれた国語科の吉澤先生は言います。「3つのアイテムだけ意識すれば、どんなに難しい評論文でも、たとえ京大の入試問題だって読みこなすことができる!」

 このブログを読んでくれている高校生も中学生も注目です。その3つとは...

① 繰り返される語

② 接続語

③ 二項対立

 だそうです。このタイミングで、研修に参加した先生方に課題が配られました。夏目漱石の『現代日本の開化』です。タイトルだけで読む気が失せるほど難しそうですが、上記の3つのアイテムを意識したら嘘のようにスムーズに読み解くことができたそうです。

 それでも最初は苦戦する先生もいたようで、そんなときに吉澤先生がかけた言葉は「何度も繰り返し出てくる言葉を数えてみてください」だったそうです。何度も出てくる言葉が重要なキーワードだという意識を持ったとき、それが緒となって読解が進んだそうです。

 この日は、京都大学の過去問を含む複数の難解な文章をみんなで読解し、成功体験を積み重ねたそうです。受講した先生方が口を揃えていったことは、答を教えるのではなく、学習者自身がステップを踏んで答に辿り着くよう進めることの大切さがわかったということ。さらには、達成感を得ながら学べば理解がより深くなること。です。

 教えることって本当に難しいんだなぁと思います。教えることを仕事にしている我々でもまだまだ学ぶことがたくさんあります。もう一つ言えることは、学ぶことをやめたら授業者としての成長もそこでストップしてしまうということです。三国丘高校の先生方は真摯な姿勢を保って学び続けています。

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