清冽な冬晴れの今日の良き日
大阪府立箕面支援学校は、創立三十周年記念の日を迎えました。
大阪府立箕面支援学校創立三十周年記念式典を
大阪府教育委員会支援教育課長水守勝裕様
はじめ多くのご来賓の皆様にご臨席いただき
このように盛大に挙行できますことはこの上もない喜びです。
心から厚くお礼申し上げます。
さて、本校初代校長、三木昭児先生は
次の言葉を遺されました。
「一人ひとりの子どもの生きざまは
その障がいの種別、内容、程度、その子をとりまく環境等々
一律ではないにしても「人間が生きていくあり方」の基本に
差があろうとは思えない。
何物にもかえることのできない「生命の尊重」が
この教育の基本であることに変わりはない筈である。」
箕面支援学校は、昭和六十年四月八日
大阪府立第十五養護学校として出発しました。
当時より、豊能・三島地域における障がいのある子どもの
教育のために取り組んでまいりました。
平成元年から十年には大阪府障害児理解推進指定校となり
府における養護教育と人権教育の発展に寄与してまいりました。
平成十九年に国における特別支援教育が制度化され、
翌平成二十年に大阪府では府立養護学校が
府立支援学校と改称されたことに伴い
本校も「府立箕面支援学校」としてスタートしました。
この特別支援教育のスタートにより
大阪府における支援学校の果たす役割は益々大きくなり
地域の支援教育のセンターとしての機能を発揮することとなり
地域の幼小中高校及び各市町教育委員会と
連携を深めながらさまざまな取組みを進めています。
時代の移ろいと共に本校をとりまく環境は大きく変わりました。
平成十六年十月に「盲・聾・養護学校におけるたんの吸引等の
取扱いについて」が厚生労働省より発出されました。
この通知により実質的違法性阻却の考え方に基づいて
特別支援学校の教員がたんの吸引や経管栄養を行うことは
「やむを得ない」とする考え方が示されました。
また、平成二十四年四月には
「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の
一部を改正する法律」が施行され
それまで実質的違法性阻却の考え方に基づいて
医療的ケアを実施してきた特別支援学校の教員についても
制度上実施することが可能になりました。
この制度改革により、重度の児童生徒の教育環境整備は
大きく前進しましたが今後もさまざまな課題に
慎重に取り組まなければなりません。
本校にはさまざまなニーズのある児童生徒が在籍していますが
初代校長の『 生命の尊重 』を合言葉に
すべての子どもたちの自立と社会参加をめざし
学校・家庭・地域や関係機関との連携を図り
子どもたちの障がいや発達の状況に応じた
専門性の高い教育活動を行う学校の実現に
教職員一同更に努力してまいります。
さて、児童生徒の皆さん、箕面支援学校は
三十回目の誕生日を迎えました。
今日は、皆さんとお祝いできて嬉しく思います。
これからも箕面支援学校は皆さんにとってかけがえのない母校です。
皆さんが力を合わせて、大切に見守り育てていきましょう。
保護者の皆様や関係者の皆様の励ましと、支えのもとで
本校は、こうして三十周年を迎えることができました。
また、今日この時から、箕面支援学校の新しい歴史が始まります。
どうぞこれからも児童生徒の成長とともに、
本校の発展を見守り続けていただければと思います。
今後とも箕面支援学校へのご支援をよろしくお願いいたします。
本校初代校長、三木昭児先生が遺された言葉は
今も脈々と生き続けています。
時代の流れに乗りながらも不易流行の精神を忘れず
今を一生懸命生きている子どもたちの生命の尊重を
本校教育の基本として、
次の時代を切り拓いていかなければなりません。
最後に、本日ご参加いただきました皆様の
ご健康、ご活躍とご多幸を祈念いたしまして、式辞といたします。
平成二十六年十二月二十日
大阪府立箕面支援学校長 大 角 正 弘