4月8日(水)

<本来であれば・・・>

4月8日になりました。本来であれば、今日は2・3年生にとっては新しい年度の始まる始業式だったはずです。新入生にとっては、入学式の予定でした。しかし、皆さんもご存じの通り、昨日「緊急事態宣言」は出され、大阪府もその中に含まれたため、行動自粛が求められました。久しぶりに友人に会える・・久しぶりに学校に行ける、そんな思いを持った人もいると思いますが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための施策ですので、私たちも耐えることが必要なのかもしれません。

始業式に当たっては、やはりこの時代をどう生きるのか?ということを伝えたかった、という思いはあります。

「世界には多くの生物が共存し、食物連鎖の中で生態系が保たれています。しかし、人が爆発的に増えているため、多くの生き物が絶滅の危機に瀕しているのも事実です。自然の摂理ですが、常に均衡を保つために生き物はバランスを維持するのです。そして、自分自身が生き残るために、突然変異という手段をとる場合があります。このウイルスも同じです。そして、一度新型が発生すると人には免疫がないですから、対処することができません。となると、頼りにできるのは自己免疫です。日頃の生活をどう送っていたかも試されます。俗にいう、ある年代層だけに感染する分けではありません。自己免疫が強い場合には、軽度で済むかもしれません。しかし、弱い場合にはウイルスに淘汰される場合もあります。例えば、熱が出るのは、必死にウイルスと戦っている証拠です。風邪症状が出るのも同じです。では、人はどうしたらいいのか・・・これだけの広がりを見せたら、いずれは感染する可能性が高くなり、専門家も世界の8割が感染すると言っている人もいます。その広がりを緩やかにできるかが、鍵になります。今人間力が試されています。自分が感染しないように注意するのも大切ですが、知らぬ間に感染しているケースも考えられます。だからこそ、感染しているという前提で、人にうつさないためにどうするか、ということが重要です。もし、自分の最愛の人に感染させ、基礎疾患があるために重篤化し命を落としたらどうですか。大きな悲しみを背負うことになります。そうならないために、今は辛抱しましょう。皆でこの難局を乗り越えましょう。誰が悪いわけでもありません。今できることをする、それが私たちに求められていることです。行動自粛のこの機会に、今までできなかったいろいろな学びをしてみてください。本を読んでみてください。新しい世界観を持つことができるかもしれません。他人に優しくできる心と広い視野を持って行動しましょう。時間があるから、何をしたらいいの・・・ではなく、自ら探してほしい、それが願いです。」

また、新入生の皆さんも貴重な入学式ができない状態です。そのうえで、高校生活にあたり、考えて欲しいことです。

「高校生活は人生で重要な岐路に立つ時間です。社会への架け橋となる最後の時代であるともいえます。中学時代とは違う人間関係構築の場でもありますし、さまざまな思いを持った人たちもいます。多くの人を理解し、相手の気持ちになって行動するという態度を育んでください。また、多くの学びをする場でもあります。社会へ出るための最後の学びの場でもあります。世界には、学びたくても学べない状態がたくさんあります。今、世界中がそんな状況です。新型コロナウイルスの影響で、家から出られない環境があります。私たちも同じです。他国の政策とは異なり、自宅待機の強制力はありません。だからこそ、人を思いやり、今何をすべきかを考えられる思考力が必要になります。そして、家にいてできることを探せる行動力や主体性が求められます。今一度学ぶことの重要性や学べる環境があることに感謝して欲しいです。もちろん、そんな環境を提供してくれる保護者の方への感謝も必要です。今後、この生活がどう変化し、日常がどう戻ってくるかはわかりません。しかし、その時に備えて、今できる学びをしてください。準備をしてください。家には学べるという時間と、環境があります。読書もいいでしょうし、高校での学びの予習でもいいでしょう。時間がなくてできなかったことに挑戦するのもいいでしょう。有効に時間を活用し、次に学校再開した際には、意欲的に学びに迎えるようにして下さい。期待をもって待ち望んでいた人もいるかもしれませんが、今しばらく一緒に耐えていきましょう。」

さて、今後のことについてですが、現状では緊急事態宣言が出たうえで、感染状況を踏まえた行動になります。週に幾度かの登校日を設けるのか、それとも一切登校日を設けないのか・・・今は全て白紙の状態です。わかっているのは、当面の間は「登校日は設けない」ということです。新しい状況になり次第、また皆さんにHPやメールマガジンで連絡することになりますので、それまでお待ちください。