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植物から見えてくる未来 三丘セミナーに本校41期生の教授による講座

言われてみれば、我々の生活は植物によって成り立っていることがわかります。昨日飲んだビールは麦、ご飯は米。木造住宅に住み綿のシャツを着る私は何から何まで植物のお世話になっています。もっと言えば石油などのエネルギー資源も元はと言えば植物ですので、まさに衣食住を含むすべての活動は植物抜きでは考えられません。植物科学は食糧問題やエネルギー問題、地球温暖化にも深く関係する重要な学問と言えます。

三丘セミナーの講座として「暮らしにかかわる植物化学」と題したご講義をしていただいたのは、石水 毅先生(立命館大学生命科学部生物工学科教授)です。先生は本校の卒業生(第41回)でもあります。

先生のお話はとても具体的でわかりやすく、興味が尽きなかったという印象です。動物には骨があるけれども植物には骨がありません。骨がない植物が立っているのはなぜでしょう?という質問から始まり、動物と植物の細胞の違いや細胞壁の役割、さらには柔らかさを制御するペクチンの働きと話が進み、枝垂桜が枝垂れている理由をペクチンの働きから説明するという具合です。

学問の面白さとともに伝えていただいたのは、ご自身の経験をもとにした三国丘高校での高校生活の送り方や進路選択の考え方です。1つのテーマに関心を持った時、それを研究する学問分野は複数あるという話も先生にしか語れない話だと思いました。最後に、先生のお考えとして"受験勉強を通して身につけてほしい3つの力を教えていただきました。「独習できる力」「計画したことを完遂する力」「継続力」です。受験勉強は大学に合格するためだけでなく、その後の人生で役立つ大事な力をつけてくれるものだということです。本校生徒のみなさんは、大先輩のこの言葉を胸に刻んで自身の将来をデザインしてほしいと思います。