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運動部員の安全とスポーツ障害防止のために"スポーツリーダースセミナー"を開催

 スポーツリーダースセミナーは運動部員の健康安全とスポーツによるケガ・障害予防を主な目的として毎年行っている実技を含む講演会です。同様のセミナーを他校で実施するのはなかなか難しいと思います。というのも、このセミナーの講師は本校の学校医である柳田育久先生だからです。府立高校では内科の医師に学校医をお願いしていることが圧倒的に多いと思いますが、本校校医の柳田先生は整形外科医です。さらに、本校40期生野球部の出身で、今も野球部の指導に携わっていただいています。これだけの条件が揃うことは皆無に近いと思いますので、これもまた三国丘高校の特長のひとつだと考えています。

 このセミナーは毎年、1学期中間考査最終日に1年生の運動部員を対象に開催しています。その理由は3つあります。1つは、熱中症や疲労骨折、肉ばなれ等は1年生部員に起こりやすいということ。2つめは高校入学後はじめての定期テストを終えた1年生が部活動再開となる日に無理をせず徐々に体を慣らすこと。最後は、1年生の段階から正しい知識を持ち、自ら健康と安全に配慮しつつ効果的効率的なトレーニングを行う基盤をつくることです。

 柳田先生のパワーポイントから私なりに要約すれば次のようになります。まず「外傷=ケガ」と「障害=故障」の違いを知りそれらが生起する要因を知ることの重要性のお話です。例えばランニングフォームやシューズ(インソール)など具多的な例を挙げた説明や女性アスリート特有の課題についても教えていただきました。次に疲労骨折や腰椎椎間板ヘルニアなどについての具体的なお話をいただき、シンスプリント(運動時・運動後に脛骨内側に痛みと圧痛がありレントゲンで変化のないもの)の特徴や予防のためのストレッチ等について教えていただきました。さらには、ハムストリングの肉ばなれ等運動中に起こりやすい障害についても教えていただきました。最後には、夏季のスポーツ場面で留意すべきことやケガ・故障を抱えた選手の思いなどについて医師や指導者の立場から感じることを教えていただき、スポーツをする上で必要なことを「尊重」「勇気」「覚悟」という3つの言葉で纏めてくださいました。

 三丘生にとっての部活動は、教科学習や探究学習と並んで高校生活の中で大事なもののひとつです。濃密な高校生活の中でいかに効率的かつ効果的に時間を使うかという課題への挑戦でもあります。受講した1年生運動部員の真剣な表情がとても印象的でした。