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「デボノの帽子」を用いて主体性評価。 教員研修会を開催

最初からちょっと難しいお話で恐縮です。学習指導要領には、学習状況を評価する際の観点が3つ示されています。「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」です。公立私立を問わずすべての高校においてこの観点ですべての教科の評価を行っています。

  勿論本校においてもこの3観点で評価をしています。国語、数学、英語・・・といった教科だけではなくCS(探究の授業)も同様です。525日(木)に行われたのは2年生で取り組むCSⅡにおける「主体的に学習に取り組む態度」に関する評価方法についての研修です。本校ではCSの授業を統一した基準で実施し、かつ、より良いものに高めていくため毎週CS委員会という会議を開いています。この日は、その委員会を主導している二人の首席が中心となって関係教員対象の研修を行いました。

  本校のCSⅡ(1学期)では「デボノの帽子」と呼ばれる手法を使って評価しています。「デボノの帽子」は世界各国で会議の進行等に活用されている手法で、別名を「6つの帽子思考法」と言います。「心理的安全性」や「メタ認知」など協働力を高めるための知識を得た後に「リフレクション」(自分の仕事の進め方、行動、考え方などをメタ認知で振り返り、自分を見つめなおすこと)の段階で活用します。

  デボノというのはこの手法を開発した人の名前です。まずは帽子に見立てたマグネットを6色用意しそれぞれに付加された意味を説明します。6つはそれぞれ「管理的な思考」「感情的な思考」「客観的な思考」「肯定的な思考」「否定的な思考」「創造的な思考」です。生徒は自分のグループのメンバーについてそれぞれ2色ずつを選び、その後自分について2色を選びます。それが完成したら一人ずつについてその色を選んだ理由を述べあいます。最終的にはそれらをリフレクションシートに纏めて完成となります。

  最初に説明した評価の観点「主体的に学習に取り組む態度」と「デボノの帽子」が結びつかない方も多いかと思いますが、この評価の仕組みは、本校のSSH運営指導委員でもある、京都教育大学名誉教授、村上忠幸先生のご指導のもとで実施しているものです。また、この活動は「自分やメンバーの強み・弱みを理解する活動」を通して、主体的に忌憚のない意見を言い合える(心理的安全性の高い)チーム作りのきっかけにしようという試みでもあります。

  探究活動は三国丘高校の大きな特長と言えます。最新の知見を活用した様々な工夫は府の内外を問わず注目を集めています。実は今日も茨城県立竹園高校の先生方が視察に来られました。このことについては別のブログでご紹介させていただく予定です。