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先生も学んでいます! 大阪教育大学連合教職大学院教授による研修を開催

 最初に私見を書いてしまいますが、教員の力量って教科指導力だけではないと思います。勿論、生徒の夢を叶えるために必要な学力を保証するだけの教科指導力は必要です。受験を勝ち抜く学力を身につけさせるだけの教科指導力は教員の力量(=教員力)の中で大きな位置を占めると考えます。しかしそれは言うまでもないことであり、教員力のベースだと言っても過言ではないと思います。三国丘高校の先生方は日々教科指導力を高めるための努力をしています。教科内での研鑽のみならず外部の研修会への参加などあらゆる機会を活用して教科指導力の向上を図っています。

 しかし、最初に言ったように教員には他にもいろんな力が求められます。教員も人間ですから、強みがあれば弱みもあります。得意があれば不得意もあります。凸凹な力(能力)を持った人間だからこそ魅力があるのだし、そんな凸凹な人間が関わるからこそ生徒は成長してくれるのだと思っています。

 我々教員の仕事は生徒の成長に繋がらないと意味がありません。そのためには教員が互いの強みを生かし合い弱みを補い合いながら教育活動を進めていくことが不可欠です。互いを理解しながらチームワークを発揮できる教員集団こそ理想だということです。

 そこで、今まで学校のスクールリーダーやミドルリーダーをたくさん育成してこられた、大阪教育大学連合教職大学院教授の田中滿公子先生を講師に迎えて教員研修を行いました。田中先生は本校第24代の校長であり、現在、本校の学校運営協議会の会長もお引き受けいただいています。

 今日の研修は3つのパートに分かれていました。最初は講義です。研修の目的に繋がる理論的なお話をいただきました。続いては個人ワークです。自分の教職人生を振り返り、それぞれの時期の気持ちの変化をグラフにします。教職に就いた20代は"絶好調"だったけれど、転勤した学校ではそれまでの経験が活かせず"低調"な気持ちになったという具合です。実際に書いてみると自分でもびっくりするくらい波乱万丈の教職人生だったりします。

 続いて行われたのがグループワークです。3人のグループを作って自分のグラフの説明をします。聴く人は発言を絶対に否定しないのがルールです。この作業の中でだんだんと自分の「強み」と「弱み」が見えてきます。例えば、「新しいことでも果敢に挑戦することが強み」とか「ついつい仕事を自分一人で背負ってしまうのが弱み」とかです。その上で自身の「教職アイデンティティ」とは何かを考えます。教職生活の中で大事にしてきたものは何か?、他の教員や生徒から認められていると思える自分像はどんな形をしているか?という自問を重ね自身の「教職アイデンティティ」を言語化する作業です。実際にやってみると難しいけれど、一方で発見に満ちた作業でした。自分のことだけではなく他の先生の「教職アイデンティティ」こともわかってきたような気がしました。

 私は、「あなたの教職アイデンティティって何?」と問われた時「どんな時でも生徒の幸せを考えて行動すること」と答えようと思っています。今日研修に参加した先生方の中には「生徒のやる気を出させるスイッチを探し出すこと」がアイデンティティだと答えた人がいたそうです。アイデンティティとは、自分が自分らしくあるために欠くことのできないものです。生徒のやる気を出させるスイッチを探すことにかけては誰にも負けないと言っているのですから、こんなに素晴らしいことはありません。

 研修が終わって何人かの先生方の感想をきいたとき、手前味噌ですが、三国丘高校の先生方の志の高さを感じました。もうすぐ130周年を迎える大阪屈指の伝統校として、こういった学校文化はしっかりと守っていきたいと思います。それこそが、三国丘高校をめざしてくれる中学生や保護者のみなさんに対する責任だと思うからです。このブログは三丘生のことを中心にこれからもたくさん書いていきたいと思っていますが、時には教員のことにも触れます。楽しみにしておいてください。