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アジ銀・先住民族・ビジネスプラン 最後は涙涙のフィリピン研修

 NASA海外研修と並行して行われていたのがフィリピン研修。この研修中の様子を参加生徒の保護者向けに配信していましたので、それをコンパクトに纏めて写真とともにご紹介します。このブログをご覧のみなさんには、フィリピンを旅したつもりでご覧ください。私も引率しましたので、時々写真に映っています。

 1日目は、ホテルに入る前に時間があったので、SMモールという巨大なショッピングモールで1時間半ほど過ごしました。みんな楽しそうでした。ホテルにチェックイン後、中華料理の夕食。豪華な料理が食べきれないほど...美味しかったです。

 2日目の天気は予報どおりあいにくの雨で、朝から降ったり止んだりでした。一方、気温は30に届かないぐらいでとても快適でした。

 午前中はリサール公園で集合写真撮影。雨のためサンチャゴ要塞はキャンセルし、国立自然史博物館に立ち寄りました。フィリピンの多様な自然環境に生息する陸から海までの生物の剥製などがずらりと並んでおり、たいへん見ごたえのあるものでした。

 その後サン・アグスチン教会に立ち寄って、昼食会場へ向かいました。昼食会場は、世界のさまざまな料理が食べられるビュッフェ形式のレストラン。色とりどりのケーキとフィリピンのイケメンウエイターに生徒たちはテンション爆上りでした。今日からの宿はエンドラン大学の大学寮。多少不便なことはあると思いますが、それも経験です。

 3日目の午前中はアジア開発銀行を訪問しました。メインロビーは大理石の床と木製の壁が荘厳さと暖かみを醸し出していました。案内された部屋で3人の日本人職員とお話することができました(1人は夏休みで日本に帰省中とのことで、オンライン参加)。語っていただいたエピソードはどれも想像を超えたスケールで、仕事への責任感と情熱がひしひしと感じられるものでした。中央アジアや南アジアの開発途上国で現地の方々とビジネスをすることの大変さや意義、もっと言えば、働くこと自体の意味を教えていただいた貴重な時間でした。

 3人とも口を揃えて、国際機関で働くにはただ単に「国際機関で働きたい」ではなく、「国際機関で〇〇をしたい」といった目的を具体的に思い描いて、自分の専門性を磨くことが大事だとおっしゃっていたのが印象的でした。勿論その前提として英語(ネイティブ並みでなくてよいが)が必要だということも教えてもらいました。その後は体育館や図書館などを案内してもらい、食堂で昼食を食べました。リニューアルされた食堂には、アジア各地の料理やベジタリアン向けの料理、ヨーロッパの料理など国際色豊かな料理が並んでいました。

 午後はエンドラン大学で、バディと初対面です。最初は緊張した面持ちでしたが、すぐ打ち解けてあっという間に仲良くなっていました。9つミッションの紙を渡されて、それにあったセルフィーを撮るといったことをしたり、フィリピンのもち米を使ったスイーツを食べたりして交流を深めました。

 4日目の8月1日は予定を変更し、大学で終日ビジネスプラン(SGH班の探究として生徒が練ってきたプラン)についてのアドバイスを受けることになりました。バディであるエンドラン大学の学生さんにアドバイスをもらいながら、自分たちの考えるビジネスプランをブラッシュアップし、最後はバディに指摘してもらった課題と今後の展望を発表しました。

 発表を評価していただいたエンドラン大学の先生方からは英語でたくさんの質問をしていただき、生徒は自分たちの考えについて英語で応答しました。頭をフル回転させる貴重な時間だったと思います。三丘生にとっては上質な刺激になったと思います。

 82日は(当初の予定にはありませんでしたが)、エンドラン大学の先生方の取り計らいでフィリピン大学のロスバニョスキャンパスにてアクティビティを行いました。アグロフォレストリーやアグリビジネスなど農業国フィリピンの取り組みを詳しく知ることができました。環境を破壊せず農業を持続可能なものにしていく方法とか、農家の所得向上のため農産物に付加価値をつけて利益を増やす方法について具体的な学びを得ました。

 83日は天気に恵まれました。途中少し雨が降ることもありましたが、晴れ間の多い中活動ができました。タナイ州の農村で農家の方と交流です。フィリピン大学の先生が案内してくれました。ジンジャーを洗ったり、ココナッツを割って食べたりしながら、フィリピンの農家のいろんなところを案内してもらいました。昼食はフィリピンの伝統的な軍隊式料理のブードルファイトを体験しました。

 4日は朝からエンドランの学生がフィリピンの朝食を用意してくれました。パンにピーナッツバター、ガーリックライスに真っ赤なソーセージ、牛肉や豚肉の煮物をいただきました。朝食のあとは昨日と一昨日に訪れた場所のことを振り返って、まとめたことをプレゼンしました。その後昼食をバディと一緒にとって、午後からは折り紙などの遊びをして過ごしました。

夕方には修了式を行い一人ひとりに修了証が交付されました。フェアウェルパーティーはお世話になったバディと別れ難い空気でした。

 私は他の校務の関係で途中までしか同行できませんでしたが、生徒たちは本当によく頑張ったと思います。どのプログラムもコミュニケーション能力を要求されるものばかりでしたので、相当疲れたと思いますが、仲間同士励まし合って乗り越えていく様子を何度も見ることができました。また、フィリピンの文化や伝統、フィリピン社会の明と暗を感じることができたのも大きな成果だと思います。巨大なショッピングモールや建築ラッシュの高層マンション群、これから発展していく国を象徴するような景色を見たかと思えば、裸足で物乞いをするホームレスの人たちから声を掛けられる経験もしました。

 誰よりも感謝しなければいけないのは、バディの学生さんたちの優しさです。三丘生をきょうだいのように可愛がってくれました。学生さんたちの温かさは、最後に載せた写真(左)で微笑んでいるエド学長のお人柄が反映していると感じました。エド学長先生、本当にお世話になりました。

 三国丘高校の海外研修は種類も多いし、内容も濃いと思います。それができるのは、これまで培ってきた人的ネットワークがあるからです。フィリピン研修も例外ではありません。三国丘高校を愛する卒業生を介した繫がりがどんどん広がり、プログラムの精選が重ねられてきました。エド学長との出逢いもそんな経緯があると伺いました。

 中学生のみなさんの中には海外研修に興味を持っている人もいると思います。学校説明会等で話を聴くとき、その研修の内容がどんなものか?というところまで質問してみてください。同じ場所に行くにしても、内容が違えば意味も違ってきます。この記事を通じて海外研修に関心を寄せてくれる中学生が増えたらいいなぁと願っています。