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ホンモノに出逢う夏!模擬裁判選手権関西大会で学んだことは財産

 7月11日の校長ブログでご紹介した模擬裁判選手権の続報です。模擬裁判選手権の予選に初挑戦した1年生の4人ですが、実は、その後予選を勝ち抜き関西大会に出場していました。チーム全員が1年生なんて学校は他にはありません。出場を決めてからも弁護士や検察官の先生方の指導を受けて準備を進めてきました。4人はこの夏の挑戦に何を感じ、何を学んだのか?指導・引率をしてくれた先生から、報告とコメント、それに、4人それぞれが思いを綴った感想文をいただきました。是非ご覧ください。

模擬裁判選手権についての報告(大塚先生/社会科)

 8月5日に模擬裁判選手権が大阪地方裁判所で行われました。本物の法廷を使って行うリアルな模擬裁判です。事件は大麻取締法に関するもので生徒たちは入念に準備を重ねてきました。午前は弁護士役として2人の男子生徒が中心となり法廷で質問や弁論を行いました。午後は検察官役として2人の女子生徒が中心となり質問や論告を行いました。審査員からの講評では、本校の生徒の法廷での振舞い方は、本物の検察官や弁護士と同じだと言ってもらえました。準備段階で弁護士や検察官の先生方から受けたトレーニングの賜物だと思います。残念ながら入選とはなりませんでしたが、一名審査員特別賞を貰うことが出来ました。以下、今回模擬裁判に参加した生徒の感想文です。

生徒A(1年生)

 実は、私の夢は弁護士や検察官ではありません。「じゃあなんで参加したの?」と思われるかもしれませんが、それは私の知見を広めるためです。将来携わることがなさそうだからこそ、この高校のモットーである「ホンモノに触れる」機会を通して経験したいと思ったからです。本校の卒業生である先輩を含む4人のホンモノの先生方(弁護士、検察官、裁判官)の指導を受けられたこと、ホンモノの裁判を見に行けたこと、ホンモノの裁判所でホンモノの先生方を前に模擬裁判ができたこと、どれも参加しなければ一生経験できないことばかりでした。その中で先生方とメールでやり取りをする機会が多々あったのですが、正式なメールのやり方を知らず調べながらやり取りすることで、ビジネスメールを経験するという副産物もありました。副産物といえば、選手権のあとの交流会(パーティー風!)。お菓子を前にジュースを片手に、ホンモノの先生方が代わる代わる話しかけてくださるという夢のような経験もできました。模擬裁判選手権に参加したことで、未知の世界だった法曹界を垣間見ることができたのはもちろんのこと、知見が広がり経験値が上がった貴重な経験となりました。このようなホンモノの機会を与えてくださり、ありがとうございました。               

生徒B(1年生) 

 模擬裁判選手権という大会は、正直チラシを見るまで知りませんでした。はじめは何も分からなかった僕たちですが、何度も高校に来てくださった支援弁護士の方々のおかげで、この短い期間ながらとても成長したと自信を持って言えます。とても優しく接しやすい支援に来てくださった裁判官、検事、弁護士のみなさんは、僕の法律家のイメージを一新してくれました。結果はついてきませんでしたが、来年もまた出場して優勝したいです!さらに本番終了後の他校との交流では、敵だったチームと写真撮影をしたり、準備の仕方を教えてもらったりと、とても楽しく勉強になりました。来年は新しく三国丘に入学してくれる1年生にも参加してほしいなーなんて思っています!裁判に少しでも興味がある人にはとても貴重な経験だと思います。ぜひ来年、このブログを見た1年生、2年生が参加してくれることを願ってます。本当にありがとうございました。

生徒C(1年生) 

 この取り組みに参加して、色々な経験をすることができました。それらを通して、4月に模擬裁判に参加しようと思ったときの自分よりも、裁判のことを知ることができました。6月の初めにあった予選を通ってから、関西大会に向けて、本物の弁護士や裁判官、検事が支援に来てくださって、たくさんのことを教えていただきました。先生方のアドバイスを受けながら、自分たちで質問を考えたりして、その原稿ができたときはとても嬉しかったです。入賞することは叶いませんでしたが、楽しむことができたし、他の学校との交流もすることができて本当によかったです。こんな経験をすることはもう二度とないことだと思います。このような機会を設けてくださり、本当にありがとうございました。

生徒D(1年生)

 もともと法律に興味があり、模擬裁判の話を耳にし、参加しました。はじめは裁判のやり方なんて全く知らなかったのでどうしたらいいかわからなかったのですが、本物の裁判を見たり、実際に職についている方々からお話を聞くことができ、予選ではそれを活かしてみんなで勝つことができました。本戦は、事前に作られた調書などをもとに、自分たちで内容を読み取らなければならなかったので、とても難しかったです。でも、みんなで意見を出し合い、新たな証拠を見つけ出す楽しさでなんとか本番に挑むことができました。他の高校の方と、本物の裁判所で裁判をするという滅多にできないことで、とても楽しんですることができました。わたしはあまりひらめき力もなく、速攻で物事を考えることが苦手で、あまりみんなに貢献できませんでした。しかし、意見をひねり出し、自分のできる最低限のことはできたと思います。今回の模擬裁判で学んだことを将来に繋げることができればいいな、と思います。手伝ってくださった皆様に感謝したいです。ありがとうございました。

 この記事を纏めながら思いました。なりたい自分になることができれば、それが何よりの幸せなんじゃないか?みなさんはどう思いますか?高校入学当初「私は○○になって...な人生を送りたい」と言える生徒が何人いるでしょう。しかし、その2年後には進路(少なくとも方向性)を決めなくてはならないのが現状です。高校と違い大学には数え切れない学部や学科があり、それぞれの学問分野は非常に高い専門性を備えています。大学を卒業して、或いは大学院を卒業した後にどんな仕事に就き、自分はその中でどんな分野で社会に貢献できる人間になるのか...。そこまで考えるのが高校です。そこまで考えるには紙の上やWEB上で調べるくらいのことでは話になりません。どうしても必要になるのは体験です。それもホンモノに触れる体験です。

 そんなことがよくわかっているので、三国丘高校ではホンモノ体験をたくさん用意しているのです。このブログを読んでくれている中学生、特に3年生は受験勉強が大変だと思いますが、高校生になってからのことを考えたら、ホンモノを経験できる学校を選ぶというのも一つの考え方だと思います。暑い日が続きますが、体調を崩さないようにしてください。志望する高校への入学だけじゃなく、その後の人生においても「なりたい自分」になれることを心から祈っています。