• トップ
  • 2024年
  • 1月
  • 【校内研究授業】先生が生徒と一緒にグループワーク...えっ!大学教授も

【校内研究授業】先生が生徒と一緒にグループワーク...えっ!大学教授も

 早速ですが、今日の話題は校内研究授業です。普通、校内で研究授業を行う時は、教室の後ろに先生方がずらりと並んで、腕組みをしながら授業を観察している...みたいなイメージだと思いますが、今回の研究授業はちょっと違いました。

 教科は国語、授業をした教員は、府立高校で長らく指導教諭をつとめていた超ベテランの吉澤先生。吉澤先生の授業は凄い!と評判だったので私も何度か行かせてもらいましたが、今回の授業もペアワークやグループワークを多用した「生徒に考えさせる授業」でした。

 今回特に校長ブログに取り上げさせてもらったのは、参加した先生と授業を受けている生徒が一緒になってペアワークやグループワークをする場面があったからです。参加した先生が吉澤先生からあてられる場面もありました。「本文を読んで受けた印象を形容詞一語で表現するとどうなるかな?」「じゃぁ○○先生答えていただけますか」みたいな感じです。びっくりするくらい自然な流れでした。その時に先生が答えた形容詞は生徒たちが思いもよらないものだったので、教室中に拍手とどよめきが起こりました。こんなの初めて見ました。

 驚いたのはそれだけではありません。この日は、この授業に参加するために、大学教授もお越しになっていました。同志社大学グローバル・コミュニケーション学部教授の長谷部陽一郎先生です。長谷部先生は吉澤先生の教え子で、ご自身の高校時代に吉澤先生の授業を受けた経験があるそうです。研究授業の後、校長室でお話を伺ったのですが「大学の講義にも参考になることをいっぱい見つけることができた」と興奮気味に語っておられました。

 最後に、私が、この授業で印象に残ったことを1つだけ紹介します。もしかしたら、受験勉強をしている中学生のみなさんへの細やかなエールになるかもしれません。それは「国語のテストで、自分は間違ってないと思っているのにバツをつけられて納得できなかったことってない?」という問いかけから始まりました。その時、吉澤先生は教務手帳(先生が出席をとったり点数を書き込んだりするために授業の時いつも持っている細長い手帳)を掲げ、右手の人差し指でその手帳を指しながら言いました「これ、何色に見える?」。生徒たちは口々に"グレー"とか"茶色"とか答えました。確かにその手帳の色はいろんな色に見える微妙な感じでした。そんな声を聴いた後先生は「金色やで」と言いました。よく見ると、吉澤先生の人差し指が示している場所は、まさに、手帳の表紙に「教務手帳」と印刷されている文字であり、その文字は金色でした。続けて先生が言った言葉が凄いと思いました。「この手帳の色は"グレー"でも"茶色"でも"金色"でも正解だろうけど、あらためて、手帳の色は?って問い直されたら"金色"は違うでしょ...って思いますよね。国語も同じなんですよ」と仰いました。なるほど、そういうことかと感心しました。間違ってはいなくても、適さない答えがあるということなんだと理解しました。それが、答えが一つじゃない「国語」という教科の面白さかもしれません。

 三国丘高校では、これからも、学習者の目線で授業力を向上させる研修を充実させていきたいと思っています。また、面白い研修があればご紹介させていただきます。お楽しみに!