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満開の桜に祝福されて321名の春!入学式に保護者も多数参加

 入学式については感染拡大防止の観点からコロナ禍がはじまって以来ずっと保護者の参加人数制限をかけてきました。学校体育館での密集を避けるため外部の会場を借り上げて開催した年もありました。そんな経過を辿ってきた入学式ですが、今年度は保護者の入場制限を撤廃して開催することとなりました。中には、祖父母まで揃ってお越しいただいたケースがあったと聞いています。新入生本人の喜びは勿論のこと、これまで本人を支えてきた皆様にとっても特別な日になったのではないでしょうか。

 今年の入学式の式辞は本当に悩みました。新入生が三国丘高校で3年間を過ごすにあたって一番大事なことは何か?という観点だけではなく、保護者の立場や我々教職員の立場から見ても頷ける目標みたいなものはないものかと考えました。とてもとても大事な3年間の最初の日に、この三者が同じ方向を向ける言葉はないものかと悩み尽くした結果私が出した答えを式辞にしました。ご一読ください。

令和6年度第79期生 入学式 式辞

新入生のみなさん、入学おめでとうございます。満開の桜がみなさんの入学を祝福してくれています。保護者の皆様方、お子様のご入学、誠におめでとうございます。本日は、三丘同窓会・後援会会長様とPTA会長様のご臨席をいただいております。心より御礼申しあげます。

早速ですが、私が今日、新入生や保護者の皆様にお伝えしたいことは一つだけです。それは「自分の人生を生きる」ということです。大層な言い方をしてしまいましたが、そんなこと当たり前だとお考えの方が大半だと思います。子どもの人生は子ども自身のものだし、親にも同じことが言えます。しかし、これが、頭で考えるほど簡単なものではないのです。

ここにいる新入生は厳しい入学者選抜を勝ち抜いてきました。今日から三丘生として様々なことを学び、今度は大学受験に挑戦します。大学受験は高校受験と根本的に違います。大学は学部や学科によって学ぶことが全く違います。卒業後に選択できる職業の種類や研究の分野も全く違います。ということは、高校における進路選択は自分の人生を考えることに他なりません。その時に、自分の人生を自分で考えることができなければ、心豊かに生きていくことは難しいと私は思います。

長い人生の中でもこんなに大事な高校時代に保護者や我々教員が力を合わせてできることは何でしょうか。一言で言うと、自分の頭で考えさせることです。まだまだうちの子は頼りないと思っている保護者の方が多いかと推察しますが、子どもは日々成長しています。高校に入学した子どもを持つ保護者が最初に求められるのは、子どもを一人の人間として客観的に見ることです。保護者として、或いは我々教員としても、不安なことや心配なことは山ほどありますが、しっかりと自分の頭で考え、自己決定まできちんとする経験を持たせることが、子どもたちの自信に繋がります。良いタイミングで保護者や教員が関わり方を変えれば子どもはびっくりするほど成長します。我々は学校現場でそんなケースをたくさん見てきました。

では、学校は何をするのか。本校が大事にしていることが3つあります。「文武両道」「自主自立」「切磋琢磨」です。これを纏めて三丘スピリッツと言います。3つの中でも特徴的なのが「自主自立」です「自主自立」の立の字は、法律の律、即ち自分を律するの律ではなく「立」(立つ)という字です。誰かが決めたルールの中で自分を律するのではなく、自分の頭で考え判断して自分で立つ、即ち生きていくということです。三国丘高校ではこれを徹底して指導します。これはまさに、最初に申しあげた「自分の人生を生きる」ための練習です。自分で考えて自分で判断し行動する経験がなければ、社会に有用な人材はつくれません。

自分で考えて自分で判断する場面はたくさんあります。教科学習は勿論ですが、探究活動や部活動、生徒会活動や学校行事もそうです。三国丘高校では、試験で高い点数を取ることだけをめざすことはありません。自分の希望する大学の希望する学部学科に入学するために高い学力が必要なのは言うまでもありませんが、学力だけが高い生徒を育てようとは思いません。

三国丘高校の部活動入部率は兼部を含めて102%です。探究活動では世界大会で優勝した実績もあります。この春も多くの生徒が志望する大学に合格しましたが、京都大学に合格した生徒13名の中には運動部のキャプテンも含まれていました。保護者の皆様に申しあげます。我々と一緒に子どもたちを支え「自分の人生を生きる」ことができる人間に育てましょう。

最後に、私から新入生のみなさんにエールを送ります。みなさんは、三丘生としてどんなことにも積極的にチャレンジし「自分の人生を生きる」とはどういうことか、自分で答を見つけてください。これは先輩たちも通ってきた道です。みなさんの高校生活が悔いのないものになることを心から願って式辞といたします。

「自分の人生を生きる」という言葉は「自分らしく生きる」という意味を含んでいると思っています。入学式でそんなことを言うお前は、自分の人生を自分らしく生きているんだろうな!と言われたら、すぐには答えが出ないかもしれません。これは、年齢や人生経験に関係なくすべての人が考えるべき根源的な問いなのかもしれません。今年の入学式については、本校PTAのホームページに写真付きの詳しい記事がありますのでご紹介させていただきます。ご覧ください。

【三国丘高校PTAホームページ

https://mikunigaoka.jp/2024/04/10/%e7%ac%ac7%ef%bc%99%e5%9b%9e%e3%80%80%e5%85%a5%e5%ad%a6%e5%bc%8f/