先生、ごめんなさい。折角ブログに書かせていただくので正直になります。もう2年以上前の話です。三国丘高校の校長を拝命して間もないある日、校長室で先生と初めて会ったとき「この学校の卒業生には難儀な爺さんがいるぞ!」と思いました。親くらい年上なのに、初めて会った私に何の遠慮もなく次から次へと私の知らない話を降り注いできます。まるで、機関銃で撃たれているような感じでした。私の心に強烈な印象を刻んだ、その先生の名前は、戸堂 博之 。高7回卒業の歯科医の先生です。
府立高校で長年学校歯科医をされていた上に、その学校の学校運営協議会委員も務めておられたので、府立高校の内情や学校運営のことについてびっくりするくらいよく知っておられます。この経歴を伺うまでは「この人は何者?」と怪訝に思い続けていました。
でも、不思議なものです。何度もお会いしいろんなお話を伺うにつれ戸堂先生の魅力が理解できるようになってきました。先生の目の先にあるのはいつも生徒です。三丘生のために誰が何をすれば良いのか...常にその視点で貫かれています。だから、撃たれても身動きできないのです。「難儀な爺さん」は、いつしか「尊敬する人生の大先輩」になっていました。今では、戸堂先生の大ファンです。
先般も同窓会総会で戸堂先生にお会いし、あの頃と変わらないお元気な様子に、できれば自分もこんな風に年を重ねたいと思いました。戸堂先生88歳。この分だと少なくとも100歳まではお元気だと思います。
そんな戸堂先生からメールをいただきました。先生は高校時代硬式テニス部に所属しておられ、何と、インターハイ団体で優勝(高校日本一)のご経験をお持ちです。プレーヤーとしてだけではなく指導者としても長年に亘ってテニスに関わって来られた先生が、そんな月日を振り返り、生涯テニスを楽しむにはどうすれば良いのか...後に続く方々に思いを込めて書いてくださいました。抜粋しましたので、みなさん読んでください。
皆さんに、私の「スポーツ雑感」を申しあげます。
「人間には限界があります。浜寺でも、熱心だった方が早逝されています。決して無理しないでください。普通の人は、経験的に3セットです。それに、悪いのは酒。今、日本の80歳以上のテニスチャンピオンは、あまり練習もせず、下戸です。元有名選手は大体70歳代で終わりです。ものには必ず例外がありますが、自分はその例外だと過信しないでください。強くなるより生涯テニスを楽しんでください。」
テニスを極めてこられた方が"強くなるより生涯テニスを楽しんでください"と言われるんだと思うと感慨深いものがあります。テニス以外に、俳句にも精通されている先生は、ご自身の句を「冗句(ジョーク)」と前置きされたうえで、こんな句を送ってくださいました。
皺の底そこまでよくもテニス焼け
戸堂先生、これは「冗句」じゃないですよ。先生の人生を凝縮したような「名句」です。
いつまでもお元気で! これからもご指導方よろしくお願いします。