ミルフィーユさんからのメッセージも、今回で最終回となります。
7月13日に参加した能開センター高校説明会や7月27日の阿倍野区PTA学校説明会、更には、7月31日にラクタブドーム(大阪府立体育会館)で開催された進学フェアでも、中学生や保護者のみなさんに「ミルフィーユの熱いメッセージ」についてお話してきました。最終回にあたって、今一度、ミルフィーユさんの紹介をしておきます。
ミルフィーユという名前はペンネームです。私がミルフィーユさんのことを知ったのは、6月9日(日)、10日(月)に行われた本校の文化祭で買った「ごった煮文化祭号2024」を読んだときです。この冊子の中に「受験生への熱いメッセージ」と題された文章がありました。後でわかったことですが、ミルフィーユさんは本校雑誌部の部長でした。
その後、私からお願いして、文章を校長ブログに転載させてもらい、更には、毎回、ミルフィーユさんへの質問に応えてもらう形で4回に分けて連載してきました。
原稿を打ちながらいつも思うのは、ミルフィーユさんの視線の温かさです。三国丘高校に入学したら、こんなに素敵な先輩がいるということです。勿論、ミルフィーユさん以外にもたくさんいると思います。
先日「校長ブログ」でも紹介した"令和6年度入学新入生アンケート"の結果から興味深いことが判明しました。それは、中3生が三国丘高校を受験すると決めたタイミングです。なんと、合格者の55.5%が中3の夏までに受験を決意しています。
そう考えれば、今がとても大事な時期と言えます。このブログと出逢ってくれた中3生のみなさんが、ミルフィーユさんの言葉を受けて自分の少し先の未来をリアルに描くことができれば、(例え三国丘が選ばれなかったとしても)悔いのない選択に繋がると信じています。
読者の中3生のみなさんが第一志望校に合格することを、ミルフィーユさんと一緒に祈っています。がんばれ!
「その10 最後まで部活をやり遂げよう」
受験学年になると、塾などが忙しくなって、部活を引退までやらないで、途中でやめてしまおうかどうか迷うことがあるかもしれません。最終、決めるのは自分だし、自分が楽になる方を選べばいいと思いますが、もし「何となく不安で」とか、「周りのみんなが勉強してそうだし」とかの理由だったら、私自身は「そんな必要全くない!」って思います。
部活ができるのなんて、ほとんどの人は学生の間だけなのだから、最後までやらなきゃもったいないし、また、最後まで部活をやり遂げたという経験は、必ずあなたの力になるし、自信にもなると思います。それぞれの部活の内容や忙しさにもよるし、ボロボロになるまで無理をすることはないと思いますが、状況が許して、最後までがんばれるのなら、最後までがんばったほうが後悔もないし、思い出にもなると思います。
中3になって、勉強が忙しくて不安になることも多いかもしれません。でも、大丈夫。部活を辞めなくてもちゃんと間に合います。時間をうまく使うことができれば...。もし、今悩んでいる人がいれば、一人で悩んでいないで、部活の顧問の先生や、家族や塾の先生に相談してみたら、引退まで両立できるよう、一緒に考えてもらえると思います。
中学3年生は一度きりです。部活以外の3年生の一年間の行事も、忙しい中だとは思いますが、最高学年として、できる限り全力で、楽しんで参加できるといいですね。
――――― 校長からミルフィーユさんへの質問 ―――――
ミルフィーユさんは今、三国丘高校雑誌部の部長として活動していますが、もし、このブログを読んでくれた中3生が、引退まで部活動を頑張った上で三国丘高校に入学し、さらに、雑誌部に入部してくれたら、あなたはその新入部員にどんな言葉を掛けますか?
あまり大きな声では言いにくいですが、雑誌部は現在のところ学年に1~2名しか在籍していない本当に小さな部活です(笑)。文化祭で校長先生が雑誌部の教室にも来てくださり、部誌『ごった煮』を手にとってくださり、その中の「受験生への熱いメッセージ」を見つけてくださったことが、本当にビックリ!!なくらいです(笑)。他の部活と兼部しながらの人がほとんどで、みんなの予定を聞きながら、無理のない範囲でなかよく活動しています。新入部員が入ってくれたら、まずお礼を言いたいです!そして、「私たちと一緒に(ゆるーく)なかよく活動しましょう」と伝えたいです。
「その11 幸せ貯金」
私は、受験とか関係なく日ごろから気をつけていることがあります。幸せ貯金をすることです。私がここで言う幸せ貯金というのは、本来の意味とは少し違うかもしれませんが、日常的に、ちょっといいことをしたり、ちょっと嫌なことを引き受けたりして、小さな幸せを"貯めて"おくことです。
例えば、私は、履物を並べたり、日直が消しそびれた黒板を消したりしています。また、面倒なことを押し付けられたりしたときは「幸せ貯金」と思ってポジティブに捉えるようにしています。
さて、幸せ貯金をするとどんないいことがあるのでしょうか?ここでは、受験にフォーカスして説明することにしましょう。例えば、英語や国語の長文。あれ、正直言って運ゲーだと思いませんか?自分が興味のある話題や、ちょっと前知識がある問題だと解きやすいと感じませんか?数学だって、他の教科だって、多かれ少なかれ運の要素も強いでしょう。もっと大前提に、万全な体調で受験を迎えるためにも、神様とか天の力がちょっとは必要かもしれませんね。その時に、日々の幸せ貯金が生きてくるのです。(個人の感想です笑)普段からこつこつちょっとした良いことを積み重ねている人と、ちょっとした悪いことを積み重ねた人。ここぞ!というときに運命が味方するのはどちらの人でしょうか。もちろん、神様なんているかわからないし、いたとしても見ていてくれているかはわからないけど、私は前者の方が運を味方につけるような気がしてならないのです。また、そう思って幸せ貯金を積み重ねているだけでも心の支えになるのではないでしょうか。受験や、発表会や、とても緊張する「もうダメだ」と思う場面で、私は「幸せ貯金をしてきた」と思えることが、ささやかな心の支えになっています。
――――― 校長からミルフィーユさんへの質問 ―――――
ミルフィーユさんの文章を読んで、自分も"幸せ貯金"をしようと思いましたが、私はどうも小心者かつ欲張りな人間らしく、折角なら、もう少し、ミルフィーユさんの成功体験を聴いてから実行しようと思っています。このブログを読んでくれている中学生の中にも、きっと私と同じタイプの人はいると思います。どんなに些細なことでも良いので、ミルフィーユさんが「幸せ貯金のおかげだ!」と思えた具体的なエピソードを教えてください。
私が一番「幸せ貯金」のことを心の支えとして思い出すのは、ピアノ伴奏を弾くときです。私は3歳からピアノを習っていて、今まで何度も合唱コンクールや連合音楽会、卒業式などでピアノ伴奏をさせてもらう機会がありました。発表会などで独奏するときより、みんなの伴奏をするときの方が、「絶対にミスタッチをせず、強弱や抑揚などもその時の会場の様子に合わせて、合唱が一番美しく聴こえるように弾きたい!」と一人でプレッシャーを感じてしまいます。もちろん、本番は一人ではなく、みんなからもパワーをもらいながら弾くのですが、(幸せ貯金のおかげか)終わってみるといつもほぼイメージどおりの伴奏ができます(笑)。
「幸せ貯金」は、今回、大々的に校長先生のブログで紹介されてしまいましたが(笑)、本来はこっそり、ひそかに、見返りも求めず、自分の心の平安のために、私の手が届くささやかな私の周りの環境を整えている感じです。心と周りの環境が整うと、いろいろなことがうまくまわっていくような気がします。
「その12 受験1週間前の過ごし方」
さて、この『熱いメッセージ』もいよいよ最終章です。
みなさんには、私の思う「受験1週間前の過ごし方」を伝授したいと思います!
これは、中学の時の学年主任の先生の受け売りですが、受験前の1週間で一番大切なのは「変わったことをしない」ということです。
変わったことというのは、具体的には、夜更かししていつも以上に勉強したり、普段やっているルーティンを変えたりすることです。普段食べないかつ丼をゲン担ぎで食べることなんかも、おすすめしません。(もし、毎朝かつ丼を食べているなら、そのままでいいと思います笑)。私は、週6回通っているバレエを、受験前も、受験前日、受験当日も休まなかったのですが、わたし的にはそれが、リズムが崩れなくてよかったのではないかな、と思っています。
また、実力テストの話にも通じますが、ラスト1週間、しっかり足掻きましょう!たま~に「もう今更何したって一緒さ」と諦めてしまう人がいますが、みなさん、定期テストの勉強っていつから始めますか?本格的に始めるのは、1週間前という人が多いのではないでしょうか。そう考えると、1週間という短い期間がどれだけ大事かわかると思います。
だから、睡眠時間を削るなどの無理はしちゃいけないけど、最後まで諦めず駆け抜けてください!
――――― 校長からミルフィーユさんへの質問 ―――――
"足掻(あが)く"という言葉はこれまでも何度か出てきました。イメージはわかるけれど、ミルフィーユさんは具体的にどんなことをしてきたの?と、疑問に思っている中学生がいるかもしれません。教科によって足掻き方は違うと思いますが、公立高校入試直前(1週間)を思い出して、ミルフィーユさん流の足掻き方のコツがあれば教えてください。
テスト前の過ごし方はそれぞれだと思います。勉強よりも精神統一をした方がいいとか、ペースを落としてクールダウンした方がいいとか、今までのスペシャルノートを見返してイメトレをするとか、自分に合った過ごし方をするのが一番よいと思います。私は、50メートル走を走る時に少し先を見据えてゴールを走り抜ける感覚で、試験当日まで「足掻(あが)く」のが自分に合っていると考えています。ちょっと強い言葉を使ってしまいましたが、焦るとか、特別なことをするとかではなく、最後の最後まで時間を使って勉強を続ける感じです。試験当日の休み時間も、前の時間の教科を振り返ることはせず、次の時間の勉強をしています。友達と一緒に直前チェックをするのも視点が変わるのでおすすめです。
具体的に言うと、私の場合、例えば英語では、入試1週間前はかなり難しめの英語の長文にチャレンジし、車などでの移動中は英語の音声を聞いていました。そしてこれは私のルーティンですが、試験前夜にはハリーポッターやメアリーポピンズの原書(ストーリーを知っている児童文学)の一部を読んで英語脳にしています。大学入試に向けては、ちょっとレベルアップしてOヘンリーなどにしようかなと思っています(笑)。試験会場に向かう電車や直前にはイディオムチェックをしました。もっと余裕でテストを迎える人も多いと思いますが、いつも私は最後の最後まで足掻きながら(笑)集中力を高めています。
「おまけ one of the 学年1位ズからのメッセージ」
2年になり、クラス替えがあり、出席番号順の私の隣の席は、何と!「one of the 学年1位ズ」(テストにより多少の変動があるそうです笑)のTくんでした。
三国丘高校では、小テストを隣の人と交換して採点することが多く、ペアワークなども隣の人と行うことが多いので「Tくん、全教科何でも知ってるな~」と日々思っています。休み時間になると、Tくんの席の周りには、クラスの男子たちが4~5人集まり、みんなで楽しそうに勉強の話をしています。
せっかくなので、Tくんに、私が雑誌部の部誌に「受験生への熱いメッセージ」を書いていることを説明し、Tくんからも「熱いメッセージ」をもらえないかと頼んでみたところ、結構一生懸命考えてくれました。
以下、Tくんと私のやりとりです。
Tくん 「うーん......、あ!入試終わってからも勉強やめずに続けた方がいい」
わたし 「え?それは、入試終わってすぐってこと?」
Tくん 「そうそう。コンスタントに勉強してたやつが最後に残る」
...なるほど。私は、入試が終わってから合格発表までの10日間、一度も鉛筆を持たなかったけど(笑)肝に銘じさせていただきます。
あっと驚く入試テクニックとかを教えてもらえるかな、とちょっと思っていたのですが、入試後も途切れなく当たり前に勉強を続けていくという、ある意味、入試などを超越したとても深いメッセージをいただきました。
私からの熱いメッセージが12項目もあるので、Tくんのメッセージとかぶるのではないかと心配していましたが、かぶりませんでした(笑)。
Tくん、ありがとうございました。
――――― 校長からミルフィーユさんへの質問 ―――――
7月は各所で進学説明会が行われるので、校長は大忙しなんです。先日も、大阪市内で開催された高校進学説明会に参加して、100名くらいの中学生(主に中3生)や保護者のみなさんの前で、三国丘高校の魅力についてお話してきました。最近、そんな場面では、必ず、校長ブログのQRコードをスクリーンに映して「ミルフィーユの熱いメッセージ」を読んでください!と叫んでいます。
いよいよ、熱いメッセージも、これが最後の最後ですので、ミルフィーユさんから読者の中3生のみなさんに、三丘愛に満ちたひと言メッセージを叫んでください!
今回はこのような場で「受験生への熱いメッセージ」を紹介していただき、また、まだまだ勉強中の身である私の拙い文章を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。私流の考え方に偏っていますし、上から目線のように感じられて不快に感じられる箇所もあったかもしれません。申し訳ありません。これらの文章のほんの一部でも、受験生のみなさんがそれぞれに合った勉強法や受験までの過ごし方を考えるきっかけになれば本当にうれしいです。
高校に入ると、中学校のときより交友関係や行動範囲も広がり、本当に世界が広がったように感じ、勉強面でも、たくさんの概念や世界のあり方などを現在進行形で学んでいるように感じています。三国丘高校は、歴史ある高校である一方、さまざまな取り組みや考え方もどんどん取り入れられていて、本当に素晴らしい環境だと思います。11月の学校説明会では三国丘高校の校風を実際に感じていただけるのではないかと思いますので、ぜひいらっしゃってみてください。
来年の春、みなさまがそれぞれの希望の進路に進まれることを陰ながら心から応援しています!!