PTAの新企画が今日実施されました。2部構成で、第1部は、SC(スクールカウンセラー)を講師に招いた講演会です。本校のスクールカウンセラーである 中村 仁美 先生(公認心理士)を講師とし〔人格欲求の4つのチャンネルの違い「精神・感覚・思考・感情」〕と題したご講演をいただきました。100人近い参加者が講師の話に聴き入る大盛況でした。
続く第2部は、卒業生やその保護者を交えた交流会です。参加したPTA会員(本校生の保護者)が10名以内の小グループに分かれて交流をします。卒業生に大学生活のことや進路選択のエピソードを訊いたり、受験期の保護者が受験生と上手に関わる方法などについて卒業生の保護者に訊くなど、とても和やかでかつ有意義な時間が流れました。
スクールカウンセラー中村先生のお話はとても興味深く、あっという間に予定の1時間が過ぎていました。先生の理論のベースの一つになっているユング心理学は無意識をテーマにした学説が多く、中でも人格欲求には4つのチャンネルがあるという理論は、人間関係を考える上でとても参考になるとのことでした。以下、私が理解できた範囲で書けば、人間には「精神」「感覚」「思考」「感情」という4つのチャンネルがあり、一人ひとり使っているチャンネルが違うということでした。例えば、他者と意見が食い違った場面を想定すると...客観性を重んじ理屈を大事にする「思考」のチャンネルを持っている人は、理屈で相手をいい負かそうとし、直観を大事にし未来志向の「精神」のチャンネルを持っている人は、理屈抜きで挑戦することが大事だとアピールするそうです。チャンネルは一人に1つという訳ではなく同時に2つ以上持っていることが多いとのことであり、また、長い人生の中で環境の影響を受けて変化することもあるそうです。中村先生は、カウンセリングの際、相談者はこの4つのチャンネルのうちどのチャンネルが強いかということを考えながら進めているとのことでした。しっかりした理論があってこそ適切なカウンセリングが成立するんだなぁと、今更ながら思いました。中村先生には多くの生徒がお世話になっています。学校生活の継続すら危惧される大ピンチを救ってもらった生徒もたくさんいます。中村先生、今後ともよろしくお願いいたします。
今回の企画は、PTAの新規企画です。会員が何を求めているのかという原点回帰の議論の中で生み出されたアイディアが今回の企画になりました。スクールカウンセラーの講演もそうですが、卒業生をゲストに迎えて行う交流会は、まさに今現在の「疑問」(親子関係の問題や進路選択の悩みなど)に直結するイベントであり、PTA会員たる三丘生の保護者のニーズにぴったり合致した素晴らしい企画だったと思います。議論を経てここまでの大成功に導いたPTA文化厚生委員の皆様方に心から敬意を表します。
中学生の保護者のみなさん。考え抜いた企画を実現させるという熱い思いを持った保護者がこんなにもたくさんいる学校って素敵だと思いませんか? 私は今日、すごく感動しました。