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読んだら納得! アメリカでの1週間で大きく成長した証〈GLHS合同海外研修記〉

GLHS合同海外研修に参加した2年生3人が校長室に来てくれたので、教頭先生と二人でお話を聴きました。GLHS(グローバルリーダースハイスクール)というのは、大阪府教育庁が指定した10校(北野・茨木・豊中・四條畷・高津・生野・大手前・天王寺・三国丘・岸和田)で、いずれも大阪府を代表する進学校です。この10校から希望者3名づつが参加してアメリカで研修を受けるというのがGLHS合同海外研修の企画です。

この研修に要する経費及び参加生徒への補助金は、株式会社マロニーの社長からのご寄付で設立した基金から支出されています。まさに、各校で厳選された代表が共同生活をしながらハイレベルな経験を積むという、夢のような研修です。

そんな研修ですので、私の拙文だけで紹介するのはもったいないと思い、参加した3人にあるお願いをしました。研修に参加して感じたことを文章にしてきてほしいというお願いです。校長室に来てくれた3人から文章を受け取った時は、読む前からびっくりしました。3人とも、A4の用紙に1枚以上びっしりと書いてくれていたのです。凄いという感想を通り越して、言葉を失いました。全部読むと相当な時間を要しますが、どれも読みごたえがあります。三国丘高校をめざす中学生のみなさんは、受験勉強の合間に是非読んでみてください。自分も2年後には、こんな文章が書けるようになるんだ!と思えば、受験勉強へのモチベーションが急上昇すると思います。では、ご紹介します。

Even sevendays can change you.

出発前の事前研修に"団長"として参加してくれた茨木高校の校長先生のお言葉を思い出します。この言葉を聞いたときは"本当にそんなことがあるのか?"と疑っており、同時に、誰一人として見知った顔がないような集団で、グループワークを含む一週間のGLHS研修を無事に終えられるのか、ということを心配していました。

ところが、そんなネガティブな感情は、アメリカ到着とともにどこかに消えてしまいました。目にするものすべてが新しいこの環境に心からワクワクしていました。それと同時に、みんなの英語レベルの高さと積極性に圧倒されました。次第に焦りが募ってきましたが、かといって積極的に現地の人々に話しかける訳でもなく、モヤモヤした感じで初日が終わりました。

夜、寝る前にいろいろ考えました。"せっかくアメリカに来たのだから、英語を使わなくてどうする?"何より、決して少なくはないお金を出してくれている親と河内基金(一人あたり25万円の支援)の方に申し訳ないと思い、明日からは少しでも自分から話しかけに行こうと思いました。

翌日、キャンパスツアーをしてくださった先生にいくらか質問をしたところ、快く答えてくださいました。昼食はカフェテリアで摂るのですが、その時友だちが、現地の学生さんと一緒に食べようと誘ってくれました。これまで、外国の方と継続的?にお話ししたことがなかったので、信じられないくらいに良い刺激になりました。自由に...とはいきませんが、英語を使って自分の意図を相手に伝えることができて、これまでで一番英語を話すことが楽しいと感じられました。

また、外国の方から見たリアルな日本の姿が垣間見えて、興味深かったです。これをきっかけに、英語で話しかける抵抗が弱まりましたし、知っている表現を使ってみようと前向きな気持ちになれました。例えば、店員の方に How are you? と言われた時に、教科書に載っていた I couldn't be better.(これ以上良くなることがないほど気分が良いです)という表現で答えると、とても笑顔になっていらっしゃったのが興味深かったです。勿論ながら、講義は恐ろしく早口で、全然聴き取ることができませんでした。

英語についてはこのくらいにして、現地に留学されている日本人の学生さんとお話しできたことも大きな学びになりました。知っているようで知らなかったアメリカの大学の仕組み等様々なことを伺うことができ、その中には、インターネット等で目にすることとは全く逆の内容で大変貴重なお話でした。その他にも、 "opportunity" を大切にするという考え方が強く心に残りました。

いろいろ書き過ぎましたが、GLHS がグローバルリーダーズハイスクールであることを考えると、各人のリーダーシップが発揮されるグループワークは、今回の研修と切っても切り離せません。最終日は、グループで考えたビジネスプランを全体に発表することになっており、その準備は研修中に行うことになっていました。ただ、僕のグループは見通しが甘く、前日はほとんど徹夜してしまうという結果になりました。しかしながら、その過程で、最初は互いに遠慮がちだったメンバーが本音をぶつけ合い、激論を交わす姿を見て、集団としても大きく成長できたんだなと感じることができました。

ここまで、長々と語り過ぎました。題名の伏線を回収させてください。この言葉を強く感じたのは、帰国後暫くした塾の帰りでのことです。電車に乗っていると、見るからに困っていそうな外国の方が乗ってきました。すると、自分でも信じられませんが、自分から声を掛けに行っていました。役に立てたかどうかはわかりませんが、何より、最初アメリカでできなかったことをできた、ということが嬉しかったです。これこそ、GLHS研修で得ることができた最大の"変化"だと思います。

また、進路の選択肢が大きく広がりました。これまでは、留学を考えているといっても、ちょっとした憧れを抱いている程度だったのですが、今回の研修で具体的な道筋...とはいかなくても、調べるきっかけにはなりました。

このGLHS研修で得たものすべてが"貴重な"経験となりました。ただ、経験を得るだけではあまり意味がありません。この経験を意識しつつ、自分だけの"貴重な人生"を歩んでいこうと思いました。

① 一歩踏み出すと大きく変わる世界、自分らしく生きる

アメリカでは、自分がしたいことを、自分が歩みたい道をそれぞれ進んでいて、とても自由だなと感じました。日本では(田舎の地元)他人の目や意見、評価を気にしたくなくてもどこか気にしている自分がいて、とても窮屈に感じていました。

でも、それだと結局自分が我慢して、相手の思い通りのままで、何も変えることができないままです。研修は1週間だったので、最初は長いなぁと思っていました。しかし、終えてみるとあっという間に全部が過ぎていました。多分、これから過ごす残りの高校生活も、大学生活も、ぼーっとしていたら一瞬で過ぎていくんだろなって思いました。

だから、思ったことをしっかり主張して(全身使ってリアクションも!)、自分の進みたい道をたとえ一人でも思い切って進んで、自分で世界を広げていくことが大切だなって思います。

② 目の前のチャンスは自分から絶対に獲りに行く

UCバークレーの日本人5人の方々と話した時「アメリカの大学に行こうと思って行動すれば、意外と簡単に行けます」と、どの人も言っていたのがとても衝撃的でした。何か言い訳をしたりせず、目の前の一つのことに集中して行動すれば、必ず望む環境に行けるんだ!って実感しました。

また、自分が知らないだけで、気づいていないだけで、すぐそこに進みたい道に繋がるチャンスがあることを学びました。

③ 目の前の状況を楽しむ

研修中全然英語が喋れなくて、周りの子に圧倒されて、本当に逃げ出したいくらい悔しかった。最初の授業の後は、これから何とかなるかな?大丈夫かな?って不安に思って部屋に戻ったけど、周りのみんなと話してると「考えてもしゃーないし、とりあえずこの研修を誰よりも楽しんで、今は誰よりも失敗経験して、日本帰ったら、英単語から誰よりも本気で勉強しよう」っていう気持ちに切り替えて、1週間何とか過ごすことができました。

研修では、周りに、英語めっちゃ喋れる子居て、講義してくださった方々も凄い人ばっかりで、もう雲の上の存在って感じることもあったけど、自分なりに楽しめば何か学ぶことができて、成長できたなって思います。

また、最後の修了証をもらったとき、大学の先生にとても褒められたのを覚えています。「この7日間でよく成長できた!もっと、自分の話す英語に自信を持って良い」と言ってもらえて嬉しかったです。失敗しても褒めてもらって、前を向く大切さも同時に学びました。

私は、この研修を通してたくさんのことを経験しました。

一つ目は、反応することの大切さです。先生などから「わかりましたか」と尋ねられたとき、頷いたり返事をするなどして、相手にわかったということを伝えることが大切だと感じました。また、質問なども恥ずかしがらずにどんどん訊くことも大切だと考えました。誰かが質問すると、自分では考えもつかなかったことを新しく学ぶことができ、理解も深まり、新たな気づきを見出すことができると思います。質問することは、自分にとっても相手にとってもためになると感じました。初対面の人たちと話すということは、視野を広げ、コミュニケーションを深め、自分を成長させることになるということを学びました。

二つ目は、積極的に発言し、行動することの大切さです。自分の意見を相手に伝える力を得ることができたと思います。研修中では、ディスカッションの時間が多く、はじめは自分の意見を言うことにためらいを感じて頷くだけになってしまいましたが、ディスカッションを重ねるにつれて、徐々に自分の意見を伝えることができたと思います。そして、自分の意見を伝えることによって話が広がったり、また新しいアイディアが生まれると思いました。英語を学ぶことは勉強ではなく、相手とコミュニケーションを取るための手段のひとつであり、国境を越えて世界中の人々と意思疎通ができるので、自分の意見を伝えることは、仲間を増やすために必要だと思いました。自分の意見を言い、相手の意見を聴き、そしてグループの仲間で話し合い、一つの課題にみんなで取り組んで纏め上げていくという大切さを学びました。自ら積極的に発言し行動を起こすことは、問題を解決するために不可欠なことだと考えました。

最後に、前より視野が広がったと思います。日本と違うところが数え切れないほどあり、経験したすべてが新鮮でした。日本人や外国の人たちとたくさん関わり、自分とは違う考え方があると気づきました。同じ日本人でも海外に住むと、日本と違う視点で物事を捉えることができるんだと感じました。それだけ、私にとってアメリカは私にとって憧れであり、自分が変わることのできる場所であると思いました。大学も日本とは全く違い、視野を広げるための学部編成などがあり、好きなことを自由に選択できるところに惹かれました。広大な土地と自然、そして大好きな英語を用いての授業が難しくもあり、これから学びたいという意欲に繋がりました。日本以外の大学も素晴らしいということが知れて、また別の道もあることを学ぶことができ、卒業後の進路に留学という選択肢が増えました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この3人は将来どんな大人になるんだろう...と想像したら、ワクワクしてきました。

最後に、私から中学生の保護者のみなさんにひと言。子どもは親の想像を遥かに超えて成長します。アメリカに行ったこの3人が大きく成長して帰ってきたように、みなさんのお子様が高校を卒業する頃には別人のような若者になっています。

私も一人の親として考えてみれば、この時期の子どもにしてやれることは限られています。その中で一番大事なことは、成長できる環境を整えてあげることだと思います。

高校選びはお子様の青春時代の環境を考える上で最も大きな選択と言っても過言ではないでしょう。自ら望めばいろんなことが経験できる環境が揃った高校はどこかということを、一緒に考えてあげてください。

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