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おつかれさま!生徒会執行部 シェアード・リーダーシップが築いた成果は偉大です

 この度任期を終えた生徒会執行部のみなさんが、校長室に来てくれました。この執行部は、公約である三丘祭(昼休みに中庭で文化部活動や有志バンド等の発表を行う新規イベント)をやりきった執行部です。先般の生徒会長選挙でも複数の候補者がそのことを取り上げ、憧れの存在であることを表明しました。

 校長室に来てくれたみなさんに「おつかれさま」と言った後に私が質問したのは「事前の調整や会場準備に大変な調整力や労力を要する三丘祭を成功させることができた秘訣は何?」ということでした。

 会長曰く「私が何も言わなくてもみんながどんどん動いてくれて...いつの間にか出来上がってた感じです...」。執行部のメンバーを見渡して思ったのは、これこそ、三国丘高校がめざすシェアード・リーダーシップの姿だということです。

 リーダーシップというと、一人のリーダーが先頭に立って物事を推し進めるというイメージがありますが、三国丘高校がめざしているのは、そんな姿ではありません。リーダーという役割をシェアーして、あることについては○○さんがリーダー...別のことについては△△さんがリーダーという風に、場面ごとにリーダーが入れ替わっていくという考え方です。

 よくよく聴くと、三丘祭をやると公約に掲げて当選した後、渉外的な仕事は会長が担ったものの、その他の実務は複数のスタッフが同時にリーダーとしての役割を果たし、別の場面では、さっきまでリーダーを務めていた人がフォロワーとしてチームを支えるということをあたりまえに繰り返していたとのことです。文字で書いてしまうと簡単に思えますが、実際には相当難しいことです。理論を教えてもらい、シェアード・リーダーシップの効果を実感する体験がなければ、こんな短期間に効果を出すのは不可能と言って差し支えないと思います。

 三国丘高校と他校の違いは、シェアード・リーダーシップの理論を教えているかどうかです。1年生で履修する総合的な探究の時間(本校では「CSⅠ」と呼んでいます)ではシックスハット思考法を勉強します。6色の帽子を想定し、それぞれに割り当てられた思考法でディスカッションを行うというものです。例えば「赤い帽子」は感情的な思考、「白い帽子」は客観的な思考です。そんなことをしているうちに、自分はどんな色の思考が多いのか、グループの各メンバーはどうなのか...がわかってきます。そうすると徐々に心理的安全性が高まってくるというわけです。心理的安全性が高い状態というのは、集団の中で自分が思ったことを自由に表明できるということです。言い換えれば、健全な波風を立てることができる状態となります。

 想像するに、三丘祭を創りあげた生徒会のスタッフは、心理的安全性の高い状態だったと思います。「これは私に任せて!」と言った時にすぐに反応が返ってきて、提案も遠慮なくできる状態。三丘祭の成功という目標に向けて、健全な波風を推進力にできる集団ができあがっていたのではないかと思います。

 社会に出たら、一人で仕事をすることはないと言い切っても過言ではありません。三丘祭を企画し実現する過程で生徒会のスタッフが経験したことは、三国丘高校ならではの学びの成果であり、本当に貴重な経験だったと思います。みんなの力で大きな山を乗り越えた生徒たちの笑顔をご覧ください。

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