このブログでは、よくSSHという略語を使います。これは、スーパー サイエンス ハイスクール の略なんです。三国丘高校は、国の指定を受けたスーパー サイエンス ハイスクールです。中学生のみなさんには聞きなれない言葉だと思います。SSHについて超簡単に説明したいと思います。SSHとは、未来を担う科学技術系人材を育成することをねらいとして特に理数系教育を充実する高校のことです。令和6年度にSSHの指定を受けた高校は全国で225校、うち、大阪府立高校は11校です。三国丘高校では、SSHの取組として探究活動やNASA研修を行っています。NASA研修というのは、その名のとおりアメリカのNASAに行く研修で、ロケット打ち上げに立ち会ったり研究者や大学院生の講義を受けたり、野生動物を観察したりするプログラムです。それ以外に、もうちょっと言うと、実は、SSHのお陰で、日々の理科授業の中で行われる実験なんかも充実しています。普通じゃ購入できないような実験器具を使った高度な実験をすることも可能というわけです。
そんな恵まれた環境で育ってきた3年生も、卒業を目前にして、今日が最後の化学実験でした。化学の先生が、写真と文章を送ってくれました。
共通テストが終わって、3年の理系化学では、高校生活最後の実験を行っています。実験内容は「ナイロン66と尿素樹脂の合成」です。私の中では、高校化学の実験ベスト3は、1年で行う淡色反応の実験、2年で行う銀鏡反応、3年で行うナイロン66の合成です。本校では、毎年全員に白衣を購入していただき、年に3~4回の実験を行っています。今回3年生が行った実験は、ヘキサメチレンジアミンという物質にアジビン酸ジクロリドを加えてできる界面をピンセットでつまむと、合成繊維であるナイロン66がどんどん液体から出てきます。出てきた合成繊維を試験管に巻き取っていくのが大変面白い実験で、毎年、生徒は喜んで実験をしています。
このブログを読んでいただいている大人のみなさん、高校時代の化学実験のこと覚えていますか?私はさっぱり覚えていません。けど、きっと、この写真に写っている三丘生は、この実験のことを忘れないと思います。青春の記憶なんて言えば大袈裟でしょうか?
校長と教頭はすべての授業を見せてもらうことになっていますので、私もこれまで何度も化学の実験を見せてもらいました。生徒全員が白衣を着ている様子は壮観です。どこかの研究所にでもいるような気分になります。これを知的好奇心と言うのでしょう...どの時間も生徒が楽しそうなのです。楽しそうといってもゲラゲラ笑っているのではなく、実験そのものが楽しいという顔をしています。そんな様子を見るたびに、三国丘高校に来た生徒は幸せだなぁと思います。