「十駕」と「燈火」と最後の戦い

 4月27日(日)、Jグリーンで行われた、サッカーの試合を観に行ってきました。相手は公立の強豪、前評判は相手の実力を高く評価していました。序盤は互角以上の戦い、一瞬の隙をつき、三国丘高校は相手ゴールキーパーの前に上がったパスを押し込んで、大方の予想を覆す先制点となりました。得点した後も守りに偏することなく良く攻め、前半を1点リードで終えました。後半は相手チームも威信にかけて負けられない戦いです。目の色を変えて襲いかかります。ピンチのシーンが前半より増えた気もしましたがよく耐え、逆にもう少しで得点できそうなシーンも何度か作りました。その後、1点を返され同点となっても誰一人ネガティブにならずに最後まで戦いきった姿は、さすが三丘生と思わせる立派なものでした。PK戦で敗れはしましたが、3年生の最後の戦いに相応しいものだったと感じました。

 スポーツですから、勝ち負けはついてきます。相手に拍手を送るのは当然のことですが、勝敗以上の価値を探すとすれば、全員が最後の一瞬まで諦めなかった精神だと思います。「諦めない精神は美しい」という価値観を共有してくれたのなら、それはとても大きな財産です。

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 4月30日(水)に発行された1年生(80期生)の学年通信「十駕」には、こんな言葉がありました。「一見あなたを評価しているように見える「数字」があなたの「価値」ではない...」。スタサポ(学力診断テスト)の結果が返却されたことを受けて投げられた言葉です。

 テストの結果がすべてではないことを頭ではわかっていても「数字」はあまりにも明確に序列を示すので、それが「価値」のように思えてしまいます。「十駕」には、こんなことも書いていました。「数字で計れるものも大事だけど、そこだけじゃない。それまでの過程や、結果を受けてから自分がどうしていくかなど、数字では評価できない部分にフォーカスをあてられる人に、集団になってほしい、そう思っています」。サッカー部は善戦しましたが負けました。これを数字で表すと、相手チームよりあきらかに低いでしょう。しかし、最後まで諦めなかったという価値は消えません。この精神は後輩たちに引き継がれていくのです。数字や勝ち負けだけじゃなく、多様な価値観を持てる人間になってください。それが、やがては自身のアイデンティティの確立に繋がっていくのです。

 3年生(78期生)の学年通信「燈火~ともしび~」第66号には、こんなことが書かれていました。「みなさんは三国丘高校生です。3月31日までやりきりましょう。」この学年の先生方は、折に触れこのフレーズを話してこられました。三国丘高校での3年間はとにかく忙しい、特に3年生になるとやるべきことが山積しています。受験勉強は勿論、クラブや学校行事...先輩たちも、一日が24時間ではとても足りないと悲鳴をあげるような日々を過ごしてきました。でも、それをやりきることが三丘生を強くするのです。三国丘高校の卒業生が各界で活躍しているのは、最後までやりきった経験があるからです。4月26日(土)に行われた演劇講習会(文化祭で演劇をするクラスのための講習会)の後は講師に質問をするために長蛇の列ができたそうです。すべてのことに真正面から向き合い、全力で努力する...これが、三国丘高校の「文武両道」です。

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