プレゼンテーションの意味

1年生は、課題研究の授業である「探究基礎」において、環境保護や環境教育に取り組むNGOのご代表を講師としてお招きし、プレゼンテーションのあり方についてワークショップ形式で学んでいます。この学習は、本校が国際・科学高校への改編以来ずっと続けているものです。

 

講師の先生は、プレゼンテーションについて次の2点を強調されています。ひとつは、それが調査結果の報告ではなく、発表者自身の心とからだを「くぐったもの」でなければならないということです。二つめは、それがプレゼントに通じる意味をもっており、自分の気もちの伝え方について十分配慮したものでなければならないということです。

 

私なりに言い換えると、プレゼンテーションというのは、科学的な調査結果について独自の視点からまとめたものを、相手と自分がともにプラスの関係で結ばれるような方法で行われるべき発表のことであるということになります。

私は、講師の先生が示された定義に魅力を感じます。また、この定義はプレゼンテーション力を測るための基準にもなると思います。

 

この定義に照らしてみると、前回のブログでご紹介した本校3年生の小論文もプレゼンテーションのひとつであると言えるでしょう。また、本校2年生が投稿し、先日ある新聞に掲載された次の記事もそのひとつだと思います。

私の住むまちは景色がとてもきれい。~ こう思えるようになったのは尊敬する友だちの影響だ。友だちはこれが好き、こういうことが好き、といつも前向きでたくさんの「好き」を見つけてくる。~

初めて会ったころは、苦手なことは気にせず好きなことの話ばかりで「のんきだな」なんて思ったが、そうではないと気づいた。~ 

「好き」を探していると、今まで苦手だと思って逃げていたことにも好きになれる部分があると気づき、きちんと向き合えるようになれた。今は前向きに考えようとする自分が「好き」だ。~

きっと何かが苦手だと思ってそれから逃げていた人がこの記事を読むと、その人も彼女のように、今まで何気なく見ていた自分のまわりの景色や人びとが魅力的に変わるのではないでしょうか?

 

 私は、本校生が友だちとの関わりをこのような文章にまとめてくれていることをうれしく思いました。また、本校生のプレゼンテーション力が高まりつつあることを感じました。