5月26日(火)

<全面解除>

昨日、全国の緊急事態宣言が解除されました。そして、流行についても「収束」という状態であるという判断がなされました。この事態がどう変化するのか分かりません。あくまでも、今の数値は2週間程度前からのものであり、全国で多くの人が生活を自粛していた結果得られたものでしょう。であるならば、この先の状況によっては、いくらでも事態は変わるということです。何でもそうですが、最初は一人から始まったのです。世界では、まだこのウイルスと戦っている人がいるということを忘れてはならないでしょう。まずは、第一段階を経たということでしょうね。ここから、多くの経済が動き出します。来月19日からは他府県移動についても解禁になりそうです。これから暑い季節に入ります。その前に梅雨も待っていますが、その前にまずは正常な学校生活を取り戻したいですね。

今日は<生物>です。質問は、

①DNAの発見から構造がかかるまでに長い時間を要したのは何故でしょう

②TAGGTGCGT , AGCCAGCTGGA これらの塩基の相方は何でしょう

この二つです。①ですが、想像の域を出ませんが、DNAというのは、その太さが髪の毛の4万分の1ほどしかありません。想像できないですね。そして、その長さはという1.8mほどなのです。現代の技術で言えば、造作もないことですが、今から150年以上も前のことです。科学技術は顕微鏡が発見されたのは1608年のことです。顕微鏡の実力も時代で変わります。こ1950年代には、新しい手法の顕微鏡が発明され、より小さなものでも見られるようになったと言われています。そのことも原因の一つでしょう。これだけ細く、長いものを分析するには、技術力も道具も足りなかったのでしょう。化学の進歩が新しい道を広げたともいえます。ちなみに、今から30年ほど前には走査型トンネル顕微鏡というものができて、ごく小さなものまで見られるようになりました。筋肉繊維すら容易にみられるのです。すごい時代ですね。②ですが、これは簡単です。以前お話をした通り、GはCとしか結びつかず、AはTとしか結びつきません。ですので、TAGGTGCGTの相方はATCCACGCAになります。また、AGCCAGCTGGAの相方はTCGGTCGACCTになりますね。これら塩基の組み合わせがいろいろな情報を持っていて、遺伝していくのです。

今は、この遺伝情報全体のことをゲノムと言っています。そして、前述している塩基(A,G,C,T)の対が、人は実に30億もあるのです。ここに遺伝情報があるのですが、ここで質問です。この30億の塩基対の中に、どれだけの遺伝子が含まれていると思いますか。これが一つ目の質問です。ちなみに人は46本の染色体を持っていて、その中には性を決定するものもあります。一般にはX染色体、Y染色体と呼んでいるのですが、男性の場合にはXとYがあり、女性の場合には、Yはありません。ここで、男女で、遺伝の差が出てくるのです。結構複雑ですよね。さて、今日二つ目の質問です。もし、皆さんが研究者でゲノムを研究しているとしましょう。皆さんは、何を知るためにゲノムを研究しますか。何でもそうですが、興味を持つことが始まりです。この先、皆さんが何に興味を持つかは分かりませんが、多くのことに興味をもって、そこから生かされていることの意味を噛みしめて欲しいと思います。

皆さんも知っているかもしれませんが、さだまさしさんの歌に「いのちの理由」という曲があります。その中の

春来れば 花自ずから咲くように

秋くれば 葉は自ら散るように

幸せになるために 誰もが生まれてきたんだ

悲しみの花の後ろからは 喜びの実が実るように

私は、ここが好きです。草木の果実は、花が咲いて、それが枯れないとできません。苦しみや悲しみがあるけれど、そこを乗り越えた時、きっと素敵な実を結ぶんだ。でも、この実を結ぶのには個人差があるんです。そこに耐えられないと、実は得ることができない。そこを知って欲しいと思います。かならず命には理由があります。だから、誰かの命が失われるようなことはしたらダメなんです。新型コロナウイルスでいうと、愛するからこそ、対策をすべきなんです。SNSで言えば、顔が見えないからと言って何を言ってもいいのではないのです。そこには、モラルが存在するのです。忘れないでください。