今宮和歌集2011 巻三

九月に掲載した「今宮和歌集」2011年度版の続きをどうぞ。

 

今宮和歌集2011 巻三

 

 

巻頭五首

 むらさきの星がきらめく坂道に一人佇むたんぽぽの種   風雷成也(ぷらなりあ)
 いたんでるかみのけをみておもいだす私のかみをほめたあなたを   かあ
 揚げ足をとりあい野次る大人達これが国会?聞いて呆れる (第25回全国短歌フォーラムin塩尻に秀作賞入選)  俵万智子
 夢でみた幸せだったあの頃にもどってほしいと涙を流す   JJ
 りんご飴買ってきてねと300円渡す母の目嬉しそうだな   もんちっち

 

 

青春


 渋谷行き大会なのに電車内テストに向けてさあ勉強だ   おまめ
 青春は部活にささげ夏過ぎる あとに残るは感動の涙   もちまろ
 背伸びして網戸にとまった蝉の腹見つめて終わる十七の夏 (第12回若山牧水青春短歌大賞に佳作入選)  俵万智子
 線なぞる銀の刃と我が目線 色の似合わぬ白黒の薔薇   晩夏茉莉(ばんかまつり)
 試合後に選手たちから「ありがとう」感謝のことばは私の方こそ   もんちっち

 

 


 助けあい人と人との繋がりが未来を創る大きな一歩   滝坂昌秀
 大丈夫?私のことを気遣って咳き込む母にいつもありがと   もんちっち
 今もまたぽつりぽつりと消えてゆく小さな命気付かぬままに   もんちっち

 

                                                      〈 巻四につづく 〉