2011年10月アーカイブ

てのひらの小説 『かみ飛こうき』 鼻子

てのひらの小説第3弾。 紙飛行機に折り込まれた繊細に揺れ動く心情...... ぜひお読みください。   かみ飛こうき  鼻子  紙飛行機を折ってみた。キレイに折られたそれは、飛ばされるはずのものなのに、また広げられる。 進路希望調査書で折られた、紙飛行機の折り目を指でなぞりながら、椎野美歩は悔しさに涙をこぼした。「なんで、こんなの作っちゃったの......」 ただ、涙をこぼしながら、自分...

今宮句集2011 2年4組

今宮句集2011 二年四組 互撰で支持を集めた九句を紹介します。    メール来る期待するけど君でない     芥川龍之介   流れ星切り裂く空は夢の路         星虎  桜舞う全ての始原祝福を          水瓶   青春と気付かず過ごし夢描く        めぐみ   帰り道前から抜ける風ふわり        爽   生きるとは「やってみよう」と思うこと    燈犀   向...

第2回今宮読書会 報告

10月8日土曜日の午後、本校図書室にて、本校教養講座として2回目の読書会をもちました。 司会役の編集子を含めて10名の参加で、1時間余り、宮本輝『泥の河』を語り合いました。 舞台となった昭和橋辺りの街のようす、水上生活者がいた頃の話など、皆さん自分の子供の頃?の記憶がよみがえったようです。 『泥の』の冠がふさわしい、鉄、油、ドブといった大阪的風景に話題が及びました。 作品については、暗く重い作風だ...

てのひらの小説 『輝く町』 ZACK

てのひらの小説をお送りします。 いじめに遭っている少年には、ひとつの楽しみが。その日がやってきます。......    『輝く町』  ZACK  きつい日差しがじわじわと照りつける中で新学期が始まり、早くも一週間が過ぎていた。 滴り落ちる汗をぬぐいながら教室に入ると、すでに教室内にいた生徒数名らがクスクスと笑いながら俺にじろりと視線を向けてきた。 じっとり張り付く嫌な視線を無視して自分の...