2011年9月アーカイブ

今宮句集2011 2年3組

今宮句集2011 二年三組 互撰で票を集めた七句を紹介します。    空と海入道雲が橋渡し           空海(そらうみ)  黄色の点暑い日の中追いかける     けい  桜咲く季節を想う雪の朝          ちかさん  春過ぎて微かに香る初夏の風      木下万平  せんぷうき前で声出すうちゅうじん    いぬ  雨降ればあなたのことを想い出す    なめこ  夏休み宿題沢...

今宮句集2011 2年6組

今宮句集2011 二年六組  2年生現代文の授業では、6組の生徒が自作の句をもって句会を催しました。  互撰で、票を集めた句を紹介します。   秋風に思いはひとつ汗ひかる      大   諦めず前を向いて歩こうよ        まりちゃん   コクコクとねむ気にたえる学生さん   ほくろ   この暑さだけど感じた秋の風      清炭   すくすくと向日葵みたい伸びたいな   薮山虎巻   眠た...

今宮和歌集2011 巻二

今宮和歌集2011 巻二   風物 せみがなく下からねらう猫の目が それでもなくよなつをこいしく   かあ せんぷうきなくしてわかる秋のかぜ せみのこえがきえすずむしのこえ   かあ 引きこもり外へ出ずして風邪を引く夢の中では海へ行こうか   滝坂昌秀 気が付けば頬を流れるこの涙サーカス小屋の明かりに照らされ   俵万智子 目を閉じて蝉の声聞く昼下がりこのけだるさも夏の醍醐味   俵万智...

今宮和歌集2011 巻一

国語表現Ⅰ受講の13人の歌人が短歌を詠みました。何回かに分けて紹介します。 「巻頭」の歌は、互撰で評価の高かった歌です。   今宮和歌集2011 巻一   巻頭七首 明日からいや明後日かその次かどんどん延期やる気スイッチ   もちまろ 神々に祈ってみても効果なし夏の課題と過ごす日々かな   滝坂昌秀 ふと気づく書いてる短歌皆ネガティブこんなとこまで出るか性格   秋月 海行かず...

てのひらの小説 『楠の森』 ピカそ 後篇

  『 楠の森 』 後篇 (2/2)  ピカそ ※ 前篇からお読みください。 ※ 「おいで、綸」 父と娘は手を繋いだ。今度は離れることもなく、お堂の闇の中へと大小の足が同時に踏み入れられた。すると突然背後でバンッと扉が閉じ、闇の中から幾つもの燭が浮き上がった。 暗闇が薄れた室内を見回す少女の隣で父は静かに正座をする。真面目で誠実そうな平凡な横顔を蝋燭に灯された火が照らしている。いつも優し...

てのひらの小説 『楠の森』 ピカそ 前篇

前回予告した、てのひらの小説の第一弾を、前・後篇に分けてお送りします。 お楽しみください。   『 楠の森 』 前篇 (1/2)   ピカそ  その親子は薄暗い雑木林の中を歩いていた。空は明るいはずだというのに、木々は間に夜の闇のような黒を含んでいる。父親の大きい足と娘の小さい足がさくさくと腐葉土を踏み分け、奥へ奥へと進んでいく。 まだ小学生高学年くらいだろうか、小さな娘は着慣れない紅の...