2014年2月アーカイブ

前編からお読みください。   『 Birthdays Cross 』 後編   旗本   ***「おはよう」「おはよう、兄貴。飯はもう置いてるから」「わかった」弟は既に朝食も終えているようである。両親がいないとはいえ、パンやカレーなどを大量に作って行ってくれたので、食料には困っていない。「じゃ、行ってきます」「おう、行ってらっしゃい」弟は俺とは違う学校に通っていて、通学方法も電...

てのひら小説参加作品。 旗本さんの作品です。前後編に分けてお送りします。 『 Birthdays Cross 』 前編   旗本 俺には双子の弟がいる。何というか、よくわからない奴だ。外には出ないし口数は多くないし、体つきも、部活でそこそこに筋肉をつけている俺とは対照的にひょろっとしたもやしみたいな物だし、肌だって俺よりずっと白い。何を考えているのかよく分からないし、あまり言葉を交わすこともない。...