「冬」の題詠。 互撰で上位10首を紹介します。 吹く風に今年が終わる寂しさとまた来る年の希望をのせる あ。 足早に街行く人の顔面は真っ白肌に映える赤鼻 トナカイ 目覚ましで起きて感じるこの寒さ布団くるまり二度寝する朝 織田作之助 制服の袖からのぞく指先をあたためようと吐く息白い 詠み人知らず ふゆのそらちこくするよとははのこえむだなていこうあとごふんだけ 最...
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「冬」の題詠。 互撰で上位の10首です。 除夜の鐘聞きつつ向かう初詣寒さに負けず迎える零時 行き止まり 父は言う旅行いくからよろしくと課題の多さ分かっておくれ さかな 暗い空そこに輝く初日の出そこに落ちてく私の涙 チョコレート星人 帰り道かじかんだ手に白い息それ見てはしゃぐ弟の顔 うじちゃんLOVE 宿題の計画立てて今回は絶対回避前日徹夜 ユニバース 短かす...
「冬」の題詠。 相互撰の上位10首を紹介します。 初雪や笑うあなたの頬染まる輝く街と冷たい両手 B 山眺め雪降らぬ地で雪を待つかじかんだ手を白く染めつつ 仲秋観月 まだ眠いあと5分だけ......ほら遅刻セミナー室で二人で面談 マスカット坊や はらはらと会社帰りに舞う雪をちらりと照らす家のあかりび あっ 息を吐き目の前白く濁るのは今年の冬が始まる合図 モノ...
今と昔の恋の詠 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな 私は朝が嫌い。 だって朝になると彼は仕事に行ってしまうから。 私は大学生で彼は社会人。 同棲を始めてわかったことはなかなか時間が合わないってこと。 彼の仕事はすごく忙しい。朝から晩まで働き詰め。 毎朝私を起こさないようにそろそろと家を出ていくのが愛おしいけど、やっぱり寂しい。 いっそアラームを...
今と昔の恋の詠 うかりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを 今まで俺は女の子に不自由したことがなかった。街を歩けばみんな振り返って俺を見る。声をかければ頬を赤く染めながら俺を見つめてくるんだ。 そんなモテモテな俺が興味を持っているのがクラスの委員長。 実は昨日、俺はいつもの調子で彼女に声をかけてみたんだ。彼女もみんなと同じように真っ赤になるかななんて思って見て...
百人一首から着想を得た創作短編です。 今と昔の恋の詠 しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで 僕は今まで誰かに恋をしたことなんてなかった。 別に興味がなかったわけではないけれど、どこかで僕には関係のないことだと感じていた。朝起きて、電車に乗って学校に行く。学校で勉強して、家に帰って寝る。そんな平凡な日々が僕にはお似合いで、それがずっと続くと思っていた。あの日までは・・・...
20期生はこの春卒業しました。 課題研究の授業で国語の作品、レポートを完成させたなかから、エッセイを紹介します。 徒然なるままに めがね砂糖 好きなもの だれにだって、好きなものはあると思う。私ぬいぐるみ大好きなんだよね、とか物質的なものかもしれないし、私は宝塚ファンなんだ、みたいな感じかもしれない。私は、「好きなものって何?」って言われたら、たぶん「音楽」って答える。 そう、私は音楽...