20期課題研究より ①

20期生はこの春卒業しました。

課題研究の授業で国語の作品、レポートを完成させたなかから、エッセイを紹介します。

徒然なるままに  めがね砂糖

好きなもの

 だれにだって、好きなものはあると思う。私ぬいぐるみ大好きなんだよね、とか物質的なものかもしれないし、私は宝塚ファンなんだ、みたいな感じかもしれない。私は、「好きなものって何?」って言われたら、たぶん「音楽」って答える。

 そう、私は音楽が好きだ。部活で吹奏楽するのも大好きだったけど、引退してしまった今はもっぱらポップ音楽を聴くばっかり。J-popはもちろん、k-pop、洋楽も聴く。そこで、好きな歌手とかグループとかは、いるっちゃいるけどあんまりそれは私の選曲基準にならない。私はバラードがあんまり好きじゃない。しみじみ聴かせる音楽、そういうのを求める人は普通にいるんだろう。心が安らぐ穏やかな曲。私だって嫌いじゃない。でも、私が好きなのは、あんまり何も考えずに聴けて、なんとなく体がノってくるような、楽しい音楽だ。だから、いくら好きなグループでも歌手でも、バラードとかはめったに聴かない。iphoneに入ってるのは入ってるけど、だいたい避けちゃう。今までに私に響くそういうジャンルの曲がなかっただけかもしれないけど。逆に、そんなに好きじゃないグループでも良いって思ったらプレイリストの仲間入りだ。そんな感じだから、ちょっと前いとこに「お姉ちゃんのプレイリスト意味わからん...twice好きって聞いてたから聴けると思ったのにほぼ入ってへんやん。」と言われてしまった。確かにtwiceは好きやけど、彼女らが歌うのはだいたい微妙に私の好みから外れてるのである。ある時ミュージックの中のアーティストで分類されてるのを見たら、入ってる曲数はそんなに多くないのにアーティストの数が異常に多かった。横から覗き込んできた弟はそれを見て「ばらばらすぎやろー!!」と、なにがそんなに面白いのか、笑い転げていた。

 考えてみれば、私は小説を読むときもそんな感じだ。好きな作家さんも何人かいるんだけど、全作読んだのは似鳥鶏だけである。有川浩や吉本ばななも好きなんだけど、その何冊もある著書の中には、なんか好きじゃない感じなのが一冊ぐらい混じってるものだ。その中のフレーズとか、物語の展開の仕方とか、理由はいろいろある。私の母なんかは、割と好きな作家さんの本は大体揃えるけど、私は好きじゃない本は買わない。買ってたとしても即、BOOK OFF行きである。なんか、本棚には本当に好きな本しか置いときたくないんですよ。

 逆に、好きな本は割と何回も読み返す。で、読み返すうちに好きになる本なんてのもあるじゃん。「陽だまりの彼女」っていう本がある。小説。大分前に、上野樹里ちゃんとマツジュンが実写化してて、帯には「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」とか書いてある。まあ正直No.1は言い過ぎやろとか思わんでもないけど、まあそれはどうでもよくて、私にとってこれはまさに、読み返すうちに好きになる本、だった。最初に読んだ時、私はこの話が全然好きじゃなかった。音楽の趣味と一緒で、小説もはっきりして楽しくて、わかりやすくハッピーエンドの話が好きなんです。これはどっちつかずの結末、しかも途中がもう悲しくて悲しくて切なくて...一回読んで、もう二度と読まない、と思った。病んじゃう。でも、友達に貸してって言われたりして、なんとなく古本屋行きにはならず、ずぅっと本棚にいた。それを、結構最近みつけて、読んでみた。忘れもしない、中間テストのまさに前日。提出物は終わってないし、普通に勉強しなさいっていう状況だったけど、なんとなくやる気がなくて、本棚を物色。私は、好きなものは好きじゃない主義(?)だし、やりたくないことはやらないし、随分と本能に忠実に生きている。それで、この本見て、ほとんど内容覚えてなくて、でもあんまり好きじゃなかったなって思ったけど、もう一回読んでやっぱ嫌いだったら売ろうと思って、読んだ。そんなに長くないから一時間ちょいで読めた。読んだ感想はね、うん、やっぱ好きじゃない。でも、なんか置いといてもいいかなと思った。ありきたりな言葉を借りれば、「好きな人に今のうちに大好きって伝えとかないと、いつ届かなくなるかわからない。」みたいな?私はとにかく、お母さんとか(その時はもう寝てたけど)友達に今すぐ好きだと伝えたくなった。(テスト前日っていうか当日になってた真夜中の2時のLINEは控えたほうがいいかと思ったから自重したけど)。すきすき!さらんへ!あいらびゅー☆てな感じだった。で、こんなに好きな人がいるなんて、なあんて素敵な幸せなんだと思った。その中に彼氏という存在がないのもまあ逆にいい感じだ。そう考えたらどうしようもなく感動して、ちょっと涙が出た。深夜2時に自室で机に向かって泣くなんて、今考えたらただの病んでる人だけど。その時の私は本気で自分の生まれた世界に感謝したし、感動してた。まあ、こんなことがあるから、最近はそんなにぽいぽい本を手放さなくなった。

パンダ

 私の今はまっているものと言えば、k-popとパンダだ。k-popの方は書き始めたら止まらなくなるし、そもそも興味のない人には心の底からどうでもいいだろう。自分の中にとどめておく。パンダ。多分、パンダならまあ少なくともk-popよりはみなさん興味がおありになるのではなかろうか。

 私の中のパンダブームは、一昨日からだ。最近すぎる?そんなのはno problemである。ミーハーの私にしてみれば、ブームが一ヶ月続けばいい方だ。どうでもいいけど、ミーハーって古語なん?私の友達はみんな「ミ―ハーって何?」って言った。まあそれはどうでもいいけど、何の話だ、ああ、パンダ。一昨日、上野動物園の赤ちゃんパンダの名前が発表された。そのニュースとともに流される愛らしいパンダの映像。これを見て、私の、k-popアイドルを追っかけすぎてくだらない妄想がとまらない若干薄汚れた心に清らかな光が入ってきた。

「ぱんだかわいいっ」

 私はもうパンダ以外のことは考えられなくなった。うそ。もちろんアイドルのことも考えるけど、確実にパンダも私の脳内に侵略してきている。You tubeで動画をあさりまくる。走るパンダ。かわいい。飼育員さんの足にしがみついて離れないパンダ。かわいい。ていうかなんかもう動くぬいぐるみにしか見えない。しかもぬいぐるみの中にまぎれてたとしても一番かわいいパターンだ。もはやぬいぐるみを超えている。飼育員さんが抱っこしたら、その飼育員さんの指はほぼ毛に埋まってるし。どんだけふあふあやねん。私も抱っこしたい。私も抱っこしたい。大事なことなので二回言ってみた。動物の毛でアレルギーが出るから、本当に抱っこしたら結構えらいことになるんだろうけど。

 一昨日の名前の発表は、首相の衆議院解散宣言や小池百合子さんの新党結成に被ってしまって、あんまり話題にならなくて寂しい。パンダかわいいのは知ってたけど、なぜか今更めちゃくちゃはまってしまった。いつまで続くかわかんないけど、とにかく飽きるまではパンダ好きキャラでいきたい。ねこ派でも、いぬ派でもなく、私はパンダ派だ。

                     (了)