2012年1月アーカイブ

全国短歌フォーラムin塩尻「学生の部」

国語表現Ⅰの授業で送った短歌のうちから、長野県塩尻市が主催する「全国短歌フォーラムin塩尻」の「学生の部」に、秀作賞として次の2首が入選しました。 全投稿数1万545首からの入選です。 おめでとうございました。   揚げ足をとりあい野次る大人達これが国会?聞いてあきれる     俵万智子   暖かい風が私のほをなででそっと耳打ち一人じゃないよ     ちょんぷい

てのひらの小説 『浮遊』(下) 都

『浮遊』 (下 3/3)  都  ※ (上)(中)からお読みください。 ※  私の家の近くの河原に着いた途端藤川さんは石でできたタイルの上に仰向けに寝転がり、大きく息を吐く。私もあとに続いて藤川さんの横に寝転がり、空を見る。まだ昼過ぎで日が強く、まるでトイレの便座に座り、裸電球を眺めているみたいだと思った。ふと、予備校のことが頭によぎる。予備校に行かなくてはいけない。大学に合格して、私は一刻も早く...

てのひらの小説 『浮遊』(中) 都

『浮遊』 (中 2/3)  都  ※ (上)からお読みください。 ※   私の家の周辺で一番大きい本屋の前で私は藤川さんを待った。藤川さんは二分遅れて謝りながらやってきた。今朝スーパーで会ったときと寸分変わらない姿で現れた藤川さんに、私はやっぱり違和感を感じる他なかった。「ファミレスでいいよね」  藤川さんは私を見ながら聞く。私は頷く。本屋から五分程歩いて着いたのは、私が予想し...

てのひらの小説 『浮遊』(上) 都

 昨年、『待機』を寄せてくれた都さんの新作30枚を、3回に分けてお送りします。 浮遊、とは?...... 『浮遊』 (上 1/3)  都 「あたし、少しだけ浮いてるの」 同じ中学校に通っていた藤川さんに、十九歳になったばかりの春、近所のスーパーでばったり会って、しばらく立ち話をした後いきなりそう言われたとき、私はとりあえず藤川さんの足元をよく見た。「う、浮いてないよ、多分」 あまりに説得力のある言...

第2回てのひらの小説合評会 報告

今年もよろしくお願いします。 今宮文芸舎主催の「てのひらの小説」合評会を、本日1月5日に開きました。 昨年末提出締め切りで、原稿用紙換算5枚~10枚の小説を「よかったところ」、「わからなかったところ」、「こうすればよくなるのでは」の項目で各自の作品について語り合いました。 今回の作品数は総数5編。 ファンタジー系が4編。 リアリズム系が1編。 4人の作者プラス司会者(文芸舎主人)の計5人が参加。 ...