てのひら小説合評会 冬の部 報告

てのひら小説の冬の部を開きました。  2月15日金曜日、16時~、図書室にて。

今回は冬休みに執筆時間を取れたので、それぞれ10枚程度の作品が5作集まりました。

合評会の参加者は、執筆者4名、司書の先生、編集子でした。

作品を紹介しておきます。

 

『marquise cut diamond』  かも

 弓道部の俺は、見知らぬ商店街に迷い込み、一軒の雑貨店に立ち寄る。 店長の女性と語り合い、マーキスカットダイアモンドのイアリングを買おうと決める。宝石言葉は「新たな出会い」・・・・・・読後感の爽やかな作品。

 

『ガスマスクでもおk?』  飽和コーヒー

 ごく普通の高二男子の良介。ガスマスク装着女子の霧島さん。バーサーカーに人格が突然変わる里美。3人が繰り広げる疾走感あふれる青春もの。そして最後は恋愛ものに。・・・・・・キャラクターの妙にハマります。

 

『五角形の分け方』  田中キャノン

 仲の良い幼馴染みの5人の高校生男女。それぞれがそれぞれをカップルとして結びつけようと、作戦を決行します。作者得意の多視点を駆使した青春恋愛ものです。タイトル良し、テンポ良し。・・・・・・てのひら常連作家の進化した作品です。

 

『・・color』  旗本

 僕と友人はメガマウスを見るために鳥羽水族館へと旅する。事件があるようでないような奇妙な道行。二人のやりとりを通して、終盤はしっとりしみじみとした読後感があるロード・ノヴェル・・・・・・ラストの、雨をめぐる会話が読ませます。

 

『ハッピー・サッド』

 ヒロとつきあって3カ月。私は、ヒロとの会話の向こうにいつも、ヒロにとってのもう一人の女性・井上さんの存在を感じている。日曜日、ヒロと電車に乗っての会話にも。私は「ハッピーサッド」の歌を口ずさむ。うれしいのに悲しい。・・・・・・不思議な感覚をともなう切ない恋愛小説です。

 

それぞれレベルが高く、個性的な作品です。合評を終えて、このあとこのブログにアップしていく予定です。

ご期待ください。