今宮高校読書会 報告
『山月記』を読んで
今宮高校生を対象にした読書会。 今年の第1弾は2年生の授業「現代文」のなかで行ないました。
5人程度のグループになって、司会者を立て、全員が思ったことを語り合いました。
6月11日。図書室にて。2年D群。中島敦『山月記』を読んで。
李徴の人柄について。
根はいいけど何だか残念なやつ。
自己中心的で協調性がなくプライドが高い。
頭が良いが性格が悪い。でも妻子や友人思い。実はいいやつ。
周りを見下し、自分のことしか考えていないけど、実は協力することにあこがれがある。
李徴の運命について。
人間らしい考えや生き方を捨ててきたから虎になったのではないか。
自己中心的で他人と関わろうとしなかったためこうなったのでは。
現実に耐えきれなくて野獣の心が表に出た。行く末はただのトラ。
全般について。
人間の複雑さとあたたかさが出ている友情の物語だ。
読みにくいけど内容はおもしろい。
さまざまな描写で李徴の気持ちや虎・人間のうつりかわりを印象的にあらわしている。
......などなど。
6月12日。図書室にて。2年B群。中島敦『山月記』を読んで。
李徴の人柄について。
自尊心が高く、自分を高く評価しすぎ。性格が悪いがそれを本人は薄々感じている。
負けず嫌いで協調性がないのに、心が弱く、素直じゃない。
李徴の運命について。
虎になってしまうのは仕方ないかもだけど......虎はちょっと酷いよね。
意地を張っているくせに、臆病な自尊心と尊大な羞恥心があったから虎になってしまった。
全般について。
気難しくて人とかかわらない李徴が、正反対の性格の旧友と再会することによって、詩人として成功しできなかった悲劇、虎になった悲劇。月や自然の風景描写をまじえて描いている。
真逆の二人を置くことで、李徴の性格がよくわかる。
......などなど。
さまざまな感想が出て、盛り上がるところもあった読書会でした。
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