まずは、プレゼンプロデューサー 東 大悟 先生を紹介しているホームページをご覧ください。ここには、三国丘高校のプレゼン動画が2本も紹介されています。かつて、東先生のご指導を得て日本一に輝いた三丘生(SGH)のプレゼンです。
初めて観たときは、感動して涙が出ました。これだけの数の生徒がいたら、必ず一人や二人は人前で話すのが苦手という人はいます。それは、三国丘高校に限らず、どんな学校でもどんな世界でも大差はないと思うのですが、びっくりするくらい堂々とした話しぶりに驚きました。もし、この三丘生が自分の子どもだったら...と思ったら、また泣けてきました。勿論、話し方だけではありません。どんな順番でどんな情報を、どんなふうに伝えたら相手の心に届くか?ということを考え尽くしたプレゼンだと思いました。
その東先生、実は、毎年、1年生を対象としたプレゼン講座を開いてくれています。今年の講座が昨日ありましたので参加してきました。会場となった視聴覚教室に入った瞬間驚きました。教員がたくさん参加していたんです。その光景を見て、最初は"なんでやろ?"と暢気に考えていましたが、講座が始まったら、その理由がすぐにわかりました。この講座は授業づくりにも役立ちます。東先生は、もう10年近くお越しいただいて講座を開いてもらっているので、教員は、この講座がどんなものかわかっているのでしょう...私もしっかり学ばせてもらおうと襟を正しました。
では、ほんの一部ですが、講座の内容をご紹介させていただきます。読者のみなさんの参考になるかもしれません。「プレゼンを失敗しない3つの掟」です。1つめは"プレゼンの主役は相手(=聴き手)だということ"です。プレゼンは、聴き手に物事の価値や課題解決の方向性を提供するものであり、主語が自分にならないよう注意することが大事だそうです。言われてみれば、プレゼンの中で「私は...」みたいなことを言ってしまいがちな気がしてきました。反省です。2つめは"わからなくさせたら試合終了"です。プレゼンはシンプルでわかりやすいことが肝要なので、多すぎる文字数や専門用語の多用は厳禁ということです。そういわれてみれば(自分の勉強不足を棚に上げて言いますが...)、プレゼンのパワーポイントを見ていて知らない言葉が出てきたら、それだけで戦意喪失してしまうことがあります。また、大きな会場で説明を聴いている時、画面に小さな文字がたくさん並んでいたら、それだけで眠くなるものです(私だけでしょうか?)。最後は"練習しないから成功体験が身につかない"です。わかりやすい例として自己紹介を挙げてくれました。東先生の自己紹介は本当に見事でした。CS(探究活動)の授業では生徒にプレゼンの練習を求めますが、半端な練習ではダメだということがはっきりしました。東先生曰く、20回練習したら自分(たち)のプレゼンが客観的に見えてくる!なるほど...認識の甘さが露呈しました。これに関連してもう一つ、私が、良いこと聴いたと思ったのは声の出し方です。マイクがあってもなくても5m先の相手に話しかけるつもりで発生すれば良いとのことでした。そんなこと一度も意識したことがなかったので、これは実践しようと思いました。
長々と書きましたが、講座終了後の私の感想は「これが三国丘高校の神髄に違いない」です。プレゼンの仕方を全員がプロから教えてもらう講座を持っている学校がどこにあるでしょうか?一方で、今の世の中、大学や実社会でプレゼンを経験しない人が何人いるでしょう?SGHの班がビジネスプランで何度も全国優勝(世界一も含めて)を果たしている陰にはこの講座があったんだと再認識しました。自画自賛で恐縮ですが、これからの社会でますます重要性を増すプレゼン技術を学べる三国丘高校は先端を走っていると思いました。講座の様子を撮ってきましたのでご覧ください。