三国丘高校の部活動入部率は、近年ずっと(少なくとも過去3年間は)100%を超えています。毎年春にクラブ員名簿というのを作っているのですが、見ると、クラブに入っていない生徒は、クラスに2~3人というところです。それでなぜ100%を超えるのかというと、兼部(2つ以上のクラブに入部すること)が増えているからです。クラブに入ることは絶対良いことだ...なんて言うつもりはありません。クラブに入らなくても、生活リズムをしっかり作って、志高く頑張っている生徒はいます。部活動は任意なので、自由意志は守られていますし、何らかの事情で入れないという人がいるかもしれません。ただ、他校に比べて圧倒的に入部率が高いということは、高校生活を彩る要素が一つ多いということになるような気がしています。
理由のひとつめは上に挙げましたが、大事なことが残っています。それが、下の写真です。これは、生徒会担当の先生が纏めてくれた「新部長からの意気込み」です。夏休みが明けて、すべてのクラブの3年生が引退し、もうこの時期は新しいキャプテンのもと新体制が確立したところです。そこで、新キャプテンに3つのことを語ってもらいました。①新チームの目標②チーム内で大切にしていること③三丘生へのメッセージです。
いくつか紹介してみましょう。まずは、女子バレーボール部です。9月は各所で合同学校説明会が催され、三国丘高校も参加させていただきましたが、どの会場に行っても1人や2人は「女子バレーボール部に入ろうと思っているのですが...」という質問を受けました。実技指導ができる先生が監督をしているということもあって、注目度の高いクラブです。目標は「近畿大会出場」、大切にしていることは「ブロックをいかした守備と攻撃」。かつて、校長ブログでも紹介しましたが、近畿大会に出場するためには強豪私学に勝つことが必須条件です。高い身長から打ち込まれるスパイクに対抗するには、全員で守り全員で攻撃するスキルとマインドが不可欠なのだと思います。
サッカー部は、三国丘高校を代表するクラブです。卒業生には、Jリーグを創設された川淵三郎先生がおられます。目標は「高校サッカー選手権府予選5回戦進出」、三丘生に向けては「9月から始まる選手権大会ぜひ観に来てください」と書いてあります。サッカー部も校長ブログに取り上げさせてもらったことがありますが、コツコツと地道に頑張っている様子がよくわかりました。私は、テレビで観戦する程度しかわかりませんが、サッカーというスポーツは最後まで何が起こるかわからないと、いつも感じています。全員が最後まで諦めない気持ちを持ち続けてほしいと願っています。
運動部の最後は柔道部です。目標は「団体戦2部優勝」。この試合は3人で戦います。柔道部の部員数は現在1名ですので、少なくとも2名の新入部員を確保しなければ、三国丘高校単独で団体戦に出場することができません。柔道部の部員数は全国的に減少しています。3年間で初段を取得すれば履歴書にも書ける立派な資格になることなど、メリットを前面に出した広報で復活をみせてほしいと願っています。
文化部は、どんどん部員数が増えている天文部を紹介します。三丘生に向けては「観望会に来てください」と書いてあります。観望会というのは、夜に校内で星を観察する会のことです。望遠鏡で星をみたり写真を撮ったりします。先日、顧問の先生とお話をしていると、木星や金星といった単体の星ではなく星の配置など星空に興味のある部員もいるとのことでしたので、私から、三国丘高校天文部主催の写真コンテストなんか考えてはどうですかと提案しておきました。来年度以降実現したらいいなぁと思っています。
書道部は、三丘生に向けて「入部いつでも歓迎します」というメッセージを投げています。めだたないクラブのように思えますが、130周年記念に作成している動画に出演したり、記念グッズの題字に採用されたり、各所で活躍しています。本校卒業生で講師をしていただいている書道の先生が親身になって指導してくださっています。中学校で書道部に所属している人に関心を持っていただけると嬉しいです。
最後は吹奏楽部です。目標は「心響共鳴」とあります。今年度はコンテストで金賞を受賞したので、そのことを目標に掲げるのかと思いきや、私の予想は外れました。ですが、みんなが支え合って心に響く音を届けることを目標にし、その結果としてコンテストでの成果があるという考え方が吹奏楽部らしくて素敵だなぁと思いました。演奏すること自体を楽しんでいる笑顔が思い浮かびます。
どうでしょう。ここまで読んでいただいて、みなさんは何を感じましたか?私は、部活動に対すして三丘生は明確な志向を持っていると感じました。部活動に何を期待してるのかがハッキリしているということです。勉強も部活動も探究活動も、無目的にだらだらすることは決してないというのが三丘生の特長だと思っています。引退をした3年生は受験モードに入っています。部活動に比べたら受験勉強に楽しみを見つけるのは難しいと思います。それは誰しも同じことですが、部活動で学んだ支え合いの精神や切磋琢磨することの意味を噛みしめながら懸命に取り組んでいます。自らの希望進路を達成した生徒の85%は部活動にも真剣に向き合っていたというデータがあるそうです。部活動と受験勉強が素晴らしい相乗効果を生んで、志を遂げるというのが三国丘高校のスタイルだと、あらためて思いました。