教志コース「教志入門」 ~「災害」とは?~

 5月27日(火)、教志コース「教志入門」の授業では、関西大学より 城下 英行 准教授にお越しいただき、「もうひとつの防災対策 ~生活の中の防災~」をテーマにご講義いただきました。

 各班でのグループワークをしながら、「災害」とは何かを考えていきました。一般に「災害」と聞いて、地震や火事を想定しがちですが、例えば「地震」で揺れている状態が「災害」でしょうか。誰も住んでいない砂漠で地震が起きたら「災害」でしょうか。先生からの問いかけで、コース生のみなさんの思考が広がっていきました。災害が起きると、交通機関が止まる、水道から水が出ない、電気・ガスが止まる、消防車や救急車が来ない・・・。すなわち、「地震」等の自然現象が人間と出会うことで、私たち人間の生活に大きく影響が出るとき、それが「災害」なのだと改めて理解できました。

 現在の私たちの社会は、発展につれて、交通機関、水道、電気、ガス、電子マネー、通信等、どんどん分業が進み、便利さを享受してきました。一般的な防災は、分業が機能停止に陥らないようにする、また機能停止に陥っても困らないように備えるというものですが、城下 先生は、分業そのものを再考すること、これをもうひとつの防災対策として挙げておられます。社会のありさま(災害とのつきあいかた)を根本から考えることが必要であり、例えば、多少のお金が入った財布を持っていること、これはもし電子マネーが使えない事態に陥っても、必要なものを購入できるという点で、まさに日常の中の防災、といえるのだということです。

 社会のありさまを考える、というと難しそうに感じますが、財布を持つ、というような日常の中の防災に気づくことで、誰もが防災の意識を持ち、防災に関わることができるのだと教えていただきました。

  

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