今宮高校野球部公式戦

blog140713 DSC_1083.jpg 7月13日(日)は、野球部の公式戦があり、応援に行きました。残念ながら敗れましたが、野球部員のひたむきさに、目頭が何度も熱くなりました。三塁でアウトになったこと、本塁でアウトになったこと等、悔しい場面もありましたが、思い切って信ずることをやったこと、そのチャレンジには拍手を送りたいと思います。


 野球部員に背番号11番の選手がいます。彼は先週の朝日新聞の大阪市内版で記事として取り上げられましたので、ご存じの方もおられるかもしれませんが、今宮高校に入学して3年目なのですが、長期間大きな病と闘ったため、現在2年生です。高校野球規定により、彼の公式戦への出場は、今回が、最後となります。彼はまだ十分には走れないのですが、努力して野球部復帰を果たし、頑張り続けて野球部員を支え続けました。彼の背中に励まされ続けた部員の間では、彼をバッターボックスへ送ろうが合言葉になっていたそうです。そして、今回の公式戦4対0の9回裏最後の攻撃の2アウトから、代打でバッターボックスに入りました。その時三塁側の今宮高校の応援団がどよめいたのは、事情をご存じの方が多かったからだと思います。初球はボール、二球目はフルスイングの空振り、そして三球目もフルスイングするとキーンという金属音とともに打球は一塁後方へ飛びました。残念ながら捕球されアウトとなりましたが、一塁へ懸命に走る姿を見たとき、彼と部員の気持ちを思うと感無量でした。


 すばらしい3年生部員はまだまだいます。背番号15番の選手は、2年半の間、野球部で頑張り続けました。が、3年生最後の公式戦では出番がありませんでした。彼は、上記の背番号11の選手が、9回裏ツーアウトから打席に入った際、ネキストバッターボックスで、代打として出番に備えていました。残念ながら、背番号11がアウトとなり、打席に立つことはかないませんでした。打席に立ちたかったと思います。悔しかったと思います。でも、その背番号15の彼が、試合後の3年生一人ひとりの挨拶のなかで、こう言いました。『打席に立ちたかった。悔しい。でも、(背番号11の)X君を打席に立たせたいと部員全員が思っていたし、僕も思っていたし。だから、それでよかった。』目頭が熱くなりました。


 試合後、涙でくしゃくしゃになった野球部員に、私は、こう言いました。『君たちには失ったものなどなにもない。逆に、大きなものをたくさん得たはずだ。助け、助けられ友を得た。つらい練習を乗り越える経験もした。支えてくれる人たちがいることも学んだ。君たちの人生の公式戦はこれからだ。今日得たものを役立てて、顔を上げて進んで欲しい。』
 でも、私の言葉など必要なかったようです。3年生部員の各人の最後の挨拶の中で、多くの部員がこう言いました。『今宮高校野球部に入ってこの仲間と野球がやれて本当によかった。』『この仲間は最高だ、今宮高校でなかったら最後までやれなかったかもしれない。』『自分を支えてくれる多くの人がいることを知った。』『けっして逃げたらあかん。』そして、キャプテンは、『逃げたらあかん。受験も逃げたらあかん。頑張るんや。』と。
監督も、部員の労をねぎらったあと、こう言いました。『さあ、帰って勉強や!』


 試合には負けましたが、生徒に教えられたことも多く、意外と爽やかな気持ちで帰路につけた一日でした。

 では、最後に
『onとoffを意識して』頑張れ 今高生!