英語のリスニングについての経験談

 私は、高校時代、物理と数学が好きで、国語と英語が苦手という典型的な理系人間でした。特に英語の発音(記号)のテストはからきしできませんでした。ところが、大学院を出て入った業界がグローバル化の先頭を走るところだったため、英語はできないのに、海外出張や海外赴任を繰り返し、英語に苦労し続けました。努力の甲斐もあってか、現在は、英検1級、全国通訳案内士(英語)、を持っています。が、いまだに映画の英語は理解できません。映画は難しいですね。
 高校時代、英語が苦手だったせいか、英語に苦労している生徒の皆さんの気持ちがわかる気がします。そんな生徒さんのヒントになるかもしれないと思い、経験談を綴ります。

 私の英語力向上の転機となった本が、写真の本です。著者は、大手企業の技術屋さんで英語の学者さんではありません。説明も合理的でしたので、理系の私にはなじんだのでしょう。この本は、語学書ではめずらしく、長い間ベストセラーの地位を保っているようです。

 この本を読んで、私が、そうかな、と思い、信じて実行したことが2つあります。

 1つ目は、 『口から出せない音は、耳で聞き分けられない。』です。

 ヒアリング力をつけたければ、発音を練習しましょう、ということです。ですので、この本は、どうやったら、英語の母音、子音を出すのかを説明し、繰り返し練習するドリルが主な内容です。ですが、これが効きました。3~6ヶ月続ける根気が必要ですが、急がば回れですね。
 発音できるようになると、脳に"引き出し"ができて、入って来る音を分けれるようになる、気がしてきます。ある時、ふっと、その瞬間が来ると言う方もいるそうです。

 2つ目は、 『読める速度より速い英語は聞き分けられない。』です。

 ヒアリング力をあげるには、英語を速く読めるようになること。読むことと聞くことは、音が聞き分けられるようになったら、そこからの理解は、目からか、耳からかの違いだけで、脳での英語理解は同じ処理だから。普通、聞くより読む方が速いですよね。だから、読む力を鍛えれば、ヒアリング力が上がる。これは、英検やTOEICなどの民間試験でも効果がでます。

 1つ目の発音については、英語の歌を100回以上聴くことも効果的だそうで、生徒の皆さんには古いかもしれませんが、カーペンターズか、ビートルズがいいそうです。私は、YesterdayとMascaradeを150回位聴きました。
 2つ目の英語を読むには、文学小説より、最近の英米でのベストセラーの方が単語や文章が単純で、読みやすいようです。第一、面白くないと読み進まないですよね。また、iPADやkindleで英語を読むと、単語を指で押さえれば意味がでてくるので楽ですね。児童書ですとHoles とか、長編ですと超ベストセラーのMaster of the Games がお勧めでしょうか。

 以上の話は私の経験談ですので、合う合わないがあると思います。こんなこともあるなあと理解頂き、夏休み、英語への取り組みの多少のヒントになれば幸いです。
質問のある生徒さんは、校長室においでください。英語が苦ってだった元高校生の視点から、アドバイスできるかもしれません。

 では、最後に
『onとoffを意識して』頑張れ 今高生!