まさか、本当に、こんなことになっているとは想像もしていませんでした。きっかけは、ほぼ1か月前の7月4日(木)の三丘セミナーです。この日の講師は、神戸大学大学院教授で株式会社シンプロジェン代表取締役でもある 山本 一彦 先生でした。先生の三丘セミナーについては、既に校長ブログでも紹介していますが、とにかくワクワクの連続でした。「生物工場」「遺伝子治療薬」「生物のデジタル情報化」...バイオとビジネスの話が次々と飛び出してきて、まるで、SF映画を観ているようでした。
その 山本先生 が、この日の三丘セミナーの最後に「ラボを見に来ないか?」と呼び掛けてくださったのです。私も、そこまでは知っていましたが、まさか、本当に見学に行かせてもらった生徒がいたとは知りませんでした。以下、引率してくれた大塚首席が書いてくれたレポートです。写真と一緒にご覧ください。
令和6年8月5日〈株式会社シンプロジェンのラボ見学〉
8月5日(月)に、本校の生徒4名が株式会社シンプロジェンのラボ見学を行いました。今回の企画は、7月4日に本校で神戸大学大学院教授である山本一彦先生の三丘セミナーがきっかけで実現しました。
お話は、専門的な内容が多く、難しかったのですが、簡単に言うと、同社は他社では真似できないような方法で、長いDNAを作ることができるそうです。そのことにより、遺伝子治療などのコストを大きく引き下げ、遺伝子に失陥のある患者さんの命を救えるということでした。
レクチャーの後には、研究所の見学ツアーが行われました。白衣に着替え、ゴーグルをつけた生徒たちは、興味深そうにたくさんの見たこともない機械を見ていました。生物の研究室ですがラットなどはいませんでした。この研究室での生物とは、微生物を指すようです。
ラボ見学の後には、山本先生から、研究のお話だけでなく、先輩としてキャリア形成についてのお話もありました。キャリアを考える上では、熟慮が必要であるが、同時に先手必勝なので、有望そうな分野に早く取り組んだ方がいい、デジタルとバイオといった複数の専門領域を学ぶなど、将来を見据えてキャリアデザインをしっかりと行っていくことが重要だというお話でした。生徒たちが将来を考えるきっかけの一つとして大変意義深いラボ見学となりました。お忙しい中で、生徒たちのために、ご対応いただいたことを大変ありがたく感じました。
以上、大塚首席が提供してくれたレポートと写真です。私は、このブログをご覧いただいているすべての方々に自慢がしたいです。これぞ三国丘高校なのです。大学や企業からその道の第一人者を招いて講演会を行う取組をしている高校は他にもあります。しかし、世界最先端の研究施設に行かせてもらい、研究者であり企業家である先生から直接説明や指導を受ける機会がある学校は、間違いなく、三国丘高校だけです。こんなことを実現させるには、いろんなことが重ならなければ無理です。その一つは山本先生の母校愛だと思います。卒業生である山本先生は、三丘生のことを本当に大事に思ってくださっています。そのことは、三丘セミナーの前に校長室でご挨拶したときから感じていました。
山本先生に感謝しなければいけないのは、ラボを見学させていただいたことだけではありません。複数領域の専門家になることの重要性を身をもって示していただいたことは、とても大きなことだと思います。こんな発想を持っていた三丘生は皆無だったと言っても過言ではないでしょう。しかし、これからの世界を生きていく三丘生にとって、とんでもなく大事なことです。重なてお礼を申しあげます。
このブログは、中学生やその保護者のみなさんにも読んでほしいと思いながら書いています。校長として、時々、とても強く感じるのですが、三国丘高校は母校愛に支えられている学校です。そして、その母校愛をしっかりと感じ取り、それを受け取って大きく成長する生徒がいる学校です。三国丘高校が益々大好きになってきました。