2学期終業式

本日、2学期の終業式を行ないました。

夏から冬にかけて、それぞれの生徒がそれぞれの成長をしてくれました。

まだまだ苦手なことはありますが・・・

全ての生徒の「良くなったところ」を見てあげたいなぁと思います。

そして、それが自信となって、さらに成長してくれることを願っています。

2学期の終業式での話です。

長かった2学期が終わりました。

文化祭、音楽祭では3年生が中心となり活躍してくれました。

また、2年生は修学旅行で一段と学年の絆が深まりました。

1年生の中には、科目選択が本格化し、自分の将来について本格的に考え始めた2学期であった人も少なからずいるのではないでしょうか。

 部活動においても、全国出場を決めたダンス部をはじめ多くの部が素晴らしい活躍でした。ここからが本格的な大会に入る部活動も多いと思います。ますますの活躍を期待しています

さて、今日は「インターネットコオロギ」の話をしたいと思います。

当たり前のことですが、インターネットをするコオロギの話ではありません(笑)

もう数年前の話になりますが、ある大学の教授が、とても興味深い実験を行いました。
「育った環境によって、生き物の習性がどう変るか」という研究です。

彼は、コオロギで実験をしたのです。


教授は、コオロギを「集団組」と「隔離組」とに分けました

「集団組」は、透明のプラスチックケースに多くのコオロギを入れて育て、

「隔離組」は、同じケースに一匹だけを入れ、隣の「集団組」を見ることはできるが触れ合えないという状況で育てたのです。

教授は「隔離組」を いつでも繋がる携帯や、メール、LINEの発達によって、世界や社会をガラス越しに見た気になっている環境、

言い換えれば直接の触れ合いをしない環境で育つことから、「インターネットコオロギ」と名づけました。

すると、集団組と隔離組のコオロギの習性に大きな差がでたのです。

コオロギは、オス同士でメスを奪い合ったり、食べ物を奪い合ったりする目的で、ケンカをするという習性があるのですが・・・

集団組で育ったコオロギは、にらみ合いや触覚のぶつけ合い程度のケンカで、一方が逃げるとそこで決着がつき、その後の攻撃が見られない。いわゆる、相手の行動を考えた紳士的なケンカが中心でした。つまり、相手の気持ちを考え、必要以上の攻撃はしない。

しかし、「隔離組」のコオロギは、極端に攻撃性の強いコオロギに育ち、相手をとことん痛めつけ、最後には食い殺すまで攻撃を続ける。非常に狂暴な性格になりました。


つまり「集団組」のコオロギが、加減を身につけていたのに対し、「隔離組」は加減をコントロールできないコオロギに育ったのです。

人間の話に戻りますが、最近、「コミュニケーション能力が大切」ということが言われています。もちろん、言葉は人と人とをつなぐツールなので、言語力の向上は必要であるとは思います。

しかし、それ以前に動物は、すべて本能的な非言語情報でコミュニケーションをとっています。

人も動物です。気配、息づかい、表情、仕草など。例えば、今相手がどう思っている(喜んでいる、嫌がっているなど)とか、どうして欲しいと思っているとか、いうことを感じ取る力です。


本当のコミュニケーションとは、言葉ではなく、相手と心で繋がる力ではないでしょうか?

コミュニケーション能力が落ちているというのは、実はこういった本能的な能力が退化しているのではないでしょうか?

人類はインターネットというツールを使って、いつでも、どこでも、文字では繋がる便利なものを手にしました。しかし、相手の顔も見ない「言葉だけのつながり」が中心になることは、プラスチック越しに相手を見ている「隔離組」と同じで、そのような環境で育つことで、相手の感情や思いを理解することが、少し苦手になっている気がします。


対面することが、コミュニケーションの中心であった時代には、「言葉」に頼らずとも、

その人が発する言葉の真意を読み取る能力が自然に身に付き、相手の心を想像しながら行動していました。

最近は「いじめ」があったとき、加害者側が必ずと言ってよいほど、いう言葉があります。それは、「嫌がっているとは思わなかった。」あるいは、「嫌だと言っていなかった。」という言葉です。

大切なのは、たとえ相手が言葉で「嫌だ。」と言っていなくても、相手の気持ちを想像する力です。本当のコミュニケーション能力とは、「言葉がなくても、相手の気持ちとつながる力」です。

サンリオのホームページ上で公開されている「いちごの王さまからのメッセージ」。筆者は社長である辻信太郎さんです。
 その文章のなかにおいて、ハローキティについて、こう触れています。

 みなさん、キティちゃんのお顔をよく見てみてください。キティちゃんにはお口が描かれていませんね。

 どうしてなんでしょう? 目や耳やお鼻はあるのに、お口が描かれていない...... それには理由があるのです。

 実はそこには、やさしさや思いやりは口(言葉)で言うだけではなく、態度で示しましょう!というメッセージが込められているのです。

 困っている人には、相手の気持ちになって自ら進んで手を差し伸べて助けてあげることが必要だと、キティちゃんは私たちにそっと教えてくれているのです。

本当に深い言葉であると思います。

ゆるきゃらは、しゃべらなくても人の心にしっかりと寄り添ってくれるんですね。

ぜひ、一人一人が、相手の気持ちを理解する力、寄り添う力を付けてください。

それが、安心して生活できる社会、楽しく遅れる高校生活の実現に繋がるでしょう。

今日から長期の休みに入ります。何よりも生徒の皆さんが安全や健康に留意して、3学期の始業式に元気な顔で登校してくることを一番に願っています。

終業式後には、様々なクラブの表彰とダンス部の全国大会壮行会が行われました。

来年は、1月8日から3学期が始まります。

「SEIUN DAYS」は、来年も千里青雲の元気な姿を届けていきますので、よろしくお願いします!

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