第14回卒業証書・修学証書授与式  #187

2/28(火)第14回卒業証書・修学証書授与式を挙行しました。

14期生は新型コロナウイルス感染防止のための臨時休業、分散登校を経て、

6月に新入生のみ来場し入学式を行った学年です。その際、保護者のみなさんにはオンラインでご覧いただくのみでした。また、1年生の宿泊研修、遠足、体育祭、文化祭などがことごとく中止となりました。

そんな不自由な高校生活を強いられた14期生の旅立ちをまるで神様が祝うかのように、今日は最高のお天気となりました。そんななか、多くの保護者の臨席を賜り、式を滞りなく執り行うことができました。

保護者の皆様にも、行事で活躍する、お子さんの姿を十分にご覧いただけず、申し訳ない日々が続きました。本日、体育館を埋める皆さんの姿を見た瞬間、万感の思いでいっぱいになりました。

式では総合学科生230名に卒業証書を、共生推進生2名に修学証書を授与しました。校長式辞のあと、在校生の送辞、卒業生の答辞、また、閉式後に大阪府教育委員会表彰、全国総合学科優秀者表彰、大阪府教育長賞、各受賞者3名の表彰を行いました。

最後に、保護者代表の謝辞をいただきました。

(以下に校長の式辞を掲載します。)

年が明け、十年に一度と言われるほどの記録的な大雪が各地で猛威を振るってまいりましたが、本校中庭では梅の木の花が開き、ようやく春の兆しが見え始めたように感じられます。

そんな春の佳き日、ここに卒業を迎えられた十四期生の皆さん、本日は本当におめでとうございます。そして、保護者の皆様には日頃より、本校の教育活動にご理解ご協力いただけましたことに改めて感謝申しあげますと共に、今日はお子さまたちのご卒業、誠におめでたく、心よりお祝い申しあげます。

三年前、私は皆さんと一緒にこの千里青雲高校にやってきました。君たちともに過ごしたこの三年間は、コロナとの三年間とも言えます。

新しい学校に来たのに生徒と会えない日々が続きました。これは皆さんにとっても同じで、ようやく学校が始まっても、クラスの全員が揃うまで、さらに時間がかかりました。そして、六月が半ばになってやっと入学式を迎えることができました。過去に例を見ないことばかりで皆さんにはほんとうに不自由な学校生活を強いる結果となってしまいました。にも拘わらず、よくぞ今日まで千里青雲高校生であり続けてくれました。よくがんばってくれました。ありがとう。

さて、卒業生の皆さん、自分のことを「運がいい」「ついている」と思っていますか?どうしてそんなことを訊くのかというと、先日、ある人の講演を聴く機会がありました。その人はお好み焼きで有名な「千房」の代表取締役会長の 中井政嗣(まさつぐ)さんという人です。

その話の中で「運のいい人」って「人との縁」を大切にする人、人との出会いを大切にする人だとおっしゃっていました。

また、松下幸之助さんって知っていますか?昔は松下電器産業、今はパナソニックという名前の会社を興した人です。この人は新入社員の面接試験で最後に必ず「あなたは運がいいですか?」という質問をしたそうです。

「運が悪いです。」と答えたひとはいくら学歴があっても、成績がよくても不合格にしたそうです。実はこの二人の方の話はつながっているのです。これを裏付けるこんな研究があります。日立製作所の研究員、矢野和夫(かずお)という人が「データの見えざる手‐ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則」という本の中でその研究について書いています。

この人は「運」というものを次のように定義しました。『「運」とは「確率的に、自分が必要とする知識や情報や力をもっている人に出会うこと」』と。そして次のような研究・調査をしました。自分も含め色んな人に頼んで手首にセンサーをつけてもらい、多くの人の行動を逐一記録し、100万件のデータを集め統計をとりました。データの中味は「誰と会っていたか」「どれだけ多くの人に会っていたか」「どんな話をしていたか」など、多岐にわたるものでした。その結果、「人とのつながり」「行動の活発さ」などが多い人ほど「運がいい」こと、すなわち「自分にとって重要な人に早く出会う確率が高い」ことが分かったそうです。

ここで、みなさんは気がつきましたか。「運」って決まったものではなく替えることができるってことです。自分にとって予想していなかったことが起こっても、それが「幸運」になるか「不運」になるかはその人次第ってことです。その人が何をするのか、どうするのかによって異なるってことです。黙って現実をそのまま受け入れるか。それとも、なんとかしようと知り合いに相談するか。後者であれば、もしかすると、その知り合いの知り合いが、何か自分では思いもつかないアイデアをもっているかもしれません。

「運」のいい人っていうのは人との出会い、つながり、縁をたくさんつくっていける人ということです。そして、多くの人に支えられている人ということです。そして、多くの人に支えられていることに気づいている人、そして、それに感謝できる人だということだと思います。皆さんは是非、運のいい人になってください。 

最後に、過去は替えることはできないと思っていませんか?そんなことはありません。未来を替えることができれば過去も替えることができます。そんなことも、講演の中で、千房の中井正嗣まさつぐさんはおっしゃっていました。「未来を替えることができれば過去も替えることができる。」「えっ。どうゆうこと?」と思っている人。この言葉の意味を知りたければ、いちど、自分で中井正嗣まさつぐさんの取り組んでいらっしゃったことを調べてみてください。皆さんの可能性は1000パーセント、無限大です。すばらしい未来に向かって挑戦し続けてください。

最後に、保護者の皆さまには、重ねてお祝いを申しあげますとともに、十四期生の皆さんの前途に幸多かれと祈念いたしまして私の式辞といたします。

令和五年二月二十八日

大阪府立千里青雲高等学校 

校長  浅尾 悦司

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