2月17日に、本校にて、「授業改善R→p→d→c→A!」第3回目を実施しました。
当日は、授業研究を実施し、アドバイザーの花熊曉先生より個別にアドバイスを受けました。小学部高学年の「音楽」「グループ」、中学部1年の「総合的な学習」、中学部2年の「HR(清掃活動)」の4つです。
また、放課後に全教員対象の研究協議を実施し、上記の授業研究についてのコメントという形で、全般的な授業改善についてのアドバイスを受けました。
その中で、以下のようなことが話題になりました。
・「かまえ」を作る
活動に取りかかる前に、そこに向けて児童生徒に「かまえ」の姿勢を取らせ、活動に意識を向けさせることが大切です。それは、何らかの「動作」であったり、「手がかり」であったりするもので、課題に対して目的を持って主体的にとりくむための意識づけになります。例えば、「楽器演奏」の活動の場合は、演奏に向けてのかまえであると同時に、観客に聞いてもらおうという他者に向けてのかまえでもあります。
・T.T.におけるサブティーチャーの役割について
メインとなるティーチャーの指示で授業は進めていくのが基本で、サブティーチャーの役割は補助的なものであり、その補助的な役割を整理する必要があります。
例えば、補助の先生が、メインティーチャーと同じように指示を出してしまうと指示が交錯してしまい、子どもが混乱してしまいます。メインティーチャーの指示で動こうとしている子どもの主体的な動きを見守る姿勢が大切であり、下手をするとサブティーチャーが先に動いてしまうことになり主体的な活動の機会を奪ってしまうことにもなりかねません。
その際、子どもがもっと動けるようにという意図から、子どもの中に入るよりもバックアップの位置の方が望ましいです。
・支援学校での「教科」指導について
支援学校での「教科」指導は、何を目的にやるのかということと、学んだことを何につなげるのかということを考えることが大切です。具体的には、「日常的な実際の生活の場面」とどうつなげるか?ということ。
・「考える」機会
授業の中で「考える」機会を作ることが大切です。「考えよう」という態度を身につけることは臨機応変に対応できる力を育てることにつながり、自立へとつながります。それは、キャリア教育のめざすところでもあります。
・「事前指導」について
「事前指導」は学習の過程でよく行われることです。活動への意欲を繋げるために大切なことです。さらに、活動を実施した後のフィードバックも大切です。事前の指導と実際の活動がつながっているということを体験的に確認することにつながります。
・「目標」について
子どもに活動の目標を主体的に考えさせる場合、「何」をがんばるかから、「どのように」がんばるかへと意識を向けさせることが大切です。それが活動の「質」の向上につながります。教員は、子どもの活動の様子をよく観察し、質の向上につながるような活動の芽を見つけていくことが大切です。
・子どもへの指示を整理しましょう!
指示には4つの種類があります。
1 行動の指示(〜しましょう)
2 やり方に対しての指示(こんなふうにしましょう)
3 順序の指示
4 スキルに関する指示
子どもの実態に応じて、その子に必要な指示は何なのか?考えましょう。場合によっては、指示を出さず見守るというのも必要なので。また、全体への指示と個別の指示という面からも配慮が必要です。
例)「この指示は、この子には出さなくても動けるのではないか?ならば、どういう指示を出そうか?」ここでも支援の最小化の視点が大切です。
・思春期の生徒たちは、できることができなくなることがあります。無理矢理させるよりも、ゆったりと見守ることも大切です。
・まず「子どもありき」。その子にどういう力を育てたいか?そこから「課題」を考えることが原則です。「課題」を変えるべきかどうか?迷った時は、この原則に立ち返りましょう。その上で、「子どもが考える」時間・場を設定しましょう。どんな子どもにも考える機会は作れると私は思っています。
授業での考える機会として、
(1)教師があらかじめ設定している機会
(2)自然に生じる子どもが考えないといけない場面=子どもが困る場面
(3)教師の意図とは関係なく、自分で考えている場面
→特に、(2)と(3)の機会が特に大切。複数の目で観察しましょう。そこが次の手立てにつながります。
花熊先生の話からは、たくさんの「貴重な気づき」をいただきました。今後の授業づくりに生かしていきたいと思います。
来年度も、「授業改善」の研修に引き続き取り組んでいきます。